日本旅行、15年通期は減収減益-単体は販売高微増、16年は増収へ
2016年12月期(16年1月1日~12月31日)の連結業績予想は、営業収益が前年比3.4%増の547億円、営業利益が22.1%減の10億7000万円、経常利益が20.4%減の18億2000万円、純利益が16.6%減の8億6000万円を見込む。同社広報室によると、営業収益は15年を上回る予想だが、営業利益についてはヨーロッパを中心とした海外旅行の需要の落ち込みにより、連結対象となる海外の現地法人の日本人受入事業が厳しい状況になるとの予想から、今年を下回る見込みだ。
日本旅行単体では、営業収益は2.7%増の465億円、営業利益は17.9%増の5億円、経常利益は9.0%減の10億円、当期純利益は4.9%増の3億4000万円を予想する。
日本旅行によると、16年は中国などの海外経済の下振れに伴う日本経済の減速が懸念されるという。また、パリの同時多発テロ事件の影響でヨーロッパを中心とした海外個人旅行の低迷が長期化する見込み。一方、訪日旅行のさらなる拡大や、北海道新幹線の開業、着地型旅行需要の高まりなどで、訪日を含む国内の旅行需要は好調と予想する。16年は国内旅行で海外旅行の落ち込みを補填していく方針だ。
個人旅行については、国内旅行ではデスティネーションキャンペーン連動商品や北海道新幹線関連商品、北陸新幹線開業1周年記念商品などJRセットプランの充実をはかる。海外旅行では、アメリカやアジア、オセアニアの商品を強化するとともに、FITの取扱拡大もめざす。さらに、重点顧客層への展開に加え、SIT商品の拡充を製販一体で進めていく。このほか、インターネット販売では会員特典の拡充やコンテンツの充実、店舗販売では接客スキルの向上をめざす。
法人営業では、教育旅行コンテンツを拡充し、提案を強化することで受注の増加をはかる。さらに、MICEでは首都圏での重点業種へのセールス強化や組織団体への営業拡大に取り組む。BTMでは「出張なび」の導入営業や既存顧客へのフォローと、利便性やセキュリティの向上に向けたシステム強化に取り組む。インバウンドでは、海外の現地旅行会社との連携や中央省庁、外郭団体などへの国内営業、宿泊増を積極的に進めるとともに、地方自治体への対応強化に向けた体制の拡充を進めるとした。