佐賀県嬉野市の観光ホテル元湯が破産申請へ、負債6億円
東京商工リサーチによればこのほど、温泉旅館「逢花の宿 元湯白珪」を運営する佐賀県嬉野市の観光ホテル元湯が、2月7日に事業を停止して破産手続きに入った。負債総額は約6億円。
同旅館は嬉野町の中心部で大正時代に創業し、現在は和室22室、展望家族風呂つきの特別室3室を備える。1989年には全面新築したことにより売上高が急増し、93年7月期には約7億1600万円を計上。98年には料理長が当時の人気テレビ番組「料理の鉄人」に出演して勝利し、知名度も向上した。さらに2001年4月には、本館をリニューアルして名称を「名湯日本の宿 元湯」から「逢花の宿 元湯白珪」に変更した。
しかし03年7月期以降は景気低迷の影響を受け、近年の年間売上高は3億円台にまで低下し、赤字を計上。設備投資に対する借入金の返済負担も重荷となっていた。14年3月には佐賀県信用保証協会が代位弁済をおこない、同年12月には嬉野市から差し押さえを受けて本社不動産の競売開始が決定されるなど、資金繰りの悪化が露呈。事業継続の見通しも立たず、今回の措置となった。