田村長官、訪日オペレーター規制「検討すべき」、品質向上に向け
観光庁長官の田村明比古氏はこのほど開催した業界紙向けの会見において、訪日外国人旅行者の急増にあわせてランドオペレーターの手配に関するトラブルなどが増加傾向にあることに関する質問に対し、「何らかの規制を検討すべき」と語った。また、訪日旅行の事業者に対して今後、登録制度など何らかの参入障壁を設けることについても「否定的ではない」と明言し、低下が懸念される訪日旅行の質の向上に向けて、体制を強化したい考えを示した。
日本旅行業協会(JATA)は今月2日に、訪日旅行に関する新たな提言書を観光庁に対して提出し、「登録を義務づけられていない事業者の合理性を著しく欠いた取引が横行し、訪日旅行の質の向上に大きな障害となっている」と指摘。JATAがすでに導入している「ツアーオペレーター品質認証制度」のさらなる活用促進を訴えるとともに、訪日旅行およびその地上手配業務をおこなうランドオペレーターについて、登録制度の確立を要望している。
田村氏は「これまで旅行業法では、BtoCの取り引きを監督して旅行者を保護してきたが、ランドオペレーターについてはBtoBで旅行業法の埒外だった」と説明。その上で「そのことが結果的に安全面や質に影響を及ぼすのであれば、規制の必要性や方法については検討せざるを得ない時期にきている」と考えを示した。
また、1月に軽井沢で発生したバス事故でも、催行されたスキーツアーにランドオペレーターが介在していたことについて言及し「ランドオペレーターの問題は訪日旅行だけではない」と重要性を強調。規制のあり方や具体的な手段などについては、「JATAの提言などを材料に、しっかりと検討しなくてはいけない」とした。