Marriott Bonvoy
Marriott Bonvoy

中国のサイバーグループ、訪日中国人向け総合支援サービス開始

  • 2016年2月7日

サイバーソーシング代表取締役の杉村順氏  中国で商業施設の運営・管理や、旅行関連のマーケティング・プロモーション事業などを展開するサイバーグループはこのほど、都内で事業戦略発表会を開催し、中国人を中心とした訪日外国人旅行者向けの総合支援サービス「City Smart Travel」を本格的に開始したと発表した。グループ会社であるサイバーソーシング代表取締役の杉村順氏は、サイバーグループが中国で小売業を展開してきた実績がある旨を説明した上で、「中国人消費者の行動スタイルを熟知しているという強みを活かし、ブームに流されない日本に根づいたサービスを展開していく」と意欲を述べた。

 「City Smart Travel」は旅行の前から旅行中、帰国後までのさまざまな場面で旅行者をサポートするアプリなど、合計10種類のサービスをまとめたもの。例えば、「Cyber GO!」アプリでは、来日前の旅行者に対し、家電量販店や飲食店、ドラッグストアなどの店舗情報や割引クーポンの提供、WiFiルーターの無料レンタルサービスなどを実施。同社によれば、WiFiルーターを契約者の中国の自宅に配送する際に、日本のお菓子や化粧品のサンプルを同封するなどの取り組みをおこない、事前に日本の情報を提供するよう努めているという。

 また、ビデオ通話による同時通訳アプリ「Cyber Talk」も用意。法人向けと個人向けの2種類を提供しており、対応言語は日本語、中国語、英語、韓国語、タイ語の5言語とした。年内にはフランス語やスペイン語、ポルトガル語への対応も予定する。このほか、帰国後に利用できるサービスとして、台湾や中国人旅行者向けのショッピングサイト「Cyber O2O」を開設し、日本のデジタル家電や化粧品、家庭用品、ベビー用品などを帰国後に購入できるようにした。

 サイバーグループでは、「City Smart Travel」の主なターゲットである中国人旅行者のうち、特に中国からフライトで3時間半圏内の日本や韓国、台湾、タイなどへの旅行者の取り込みに注力する考え。同グループによれば、2014年の中国人の海外旅行者数は1億2000万人、消費額は1200億ドルで、そのうちの60%をこれらの国が占めるという。

 同グループでは今後、中国で人気の無料メッセージアプリ「微信」をはじめとしたソーシャルメディアを使ったプロモーションを実施する。また、上海に特化したニュースサイトなどを運営する中国の東方網グループと提携し、共同出資の合弁会社「Cyber EAST」を設立。東方網のニュースサイトやタブロイド紙で、日本の観光関連の情報を発信するほか、日本の自治体などが出展する消費者向けの旅行展覧会の開催を計画している。そのほか、航空会社や銀行、旅行会社などと連携して同グループに関する露出を強化することで、知名度の向上やサービスの利用促進をめざすという。

「City Smart Travel」のサービスラインナップ