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ANAHD、「攻めのスピード経営」で国際線拡充-20年営利2000億円へ

  • 2016年1月31日

 ANAホールディングス(ANAHD)は1月29日、2016年度から20年度までの中期経営戦略を発表した。同日に開催した記者会見で、ANAHD取締役施行役員の長峯豊之氏は戦略の柱として「エアライン事業領域の拡大」「新規事業の創造と既存事業の成長加速」を掲げる旨を説明。「2つのテーマを推進するため、攻めのスピード経営を実践していく」と語った。20年度までに売上高2兆1600億円、営業利益で2000億円をめざす。営業利益については、昨年1月に発表した、25年度までの「長期戦略構想」の目標達成時期を5年前倒しした。

 中期経営計画では、グループの収益の柱と位置づけるFSCの国内線事業の市場規模を保ち、収益を維持しながら、FSCの国際線やLCC事業を積極的に拡大していく。特にFSCの国際線事業を「20年度までに国内線をしのぐ稼ぎ頭として大きく成長させていきたい」(長峯氏)考えで、売上規模を15年度予想の5170億円から、20年度には1.4倍に成長させたいとした。LCCのバニラエア(JW)では15年度の230億円から3.1倍を目標に設定。また、商社事業や新規事業などの「ノンエア事業」にも取り組み、15年度の3760億円から1.2倍の規模をめざす。


▽エアライン事業、国際線増強、メキシコ線計画も

 エアライン事業では、今まで主なターゲットとしていたビジネス需要に加え、リゾート路線を含むレジャー需要の取り込みを強化。国際線では、ASEANや中南米などでNHが未就航の「ホワイトスポット」に就航し、路線を拡大する。20年度末の有効座席キロ(ASK)は15年度見込み比で51%増を計画する。

 方面別では、中南米にボーイングB787-8型機によるノンストップ便を運航したい考えで、成田/メキシコ線の開設を検討中だ。NHによれば、ノンストップ便を運航するためにエンジンの変更などが必要で、「機材の調整がうまく行けば、16年度中に就航したい」という。さらに、リゾート路線では東京/ホノルル線にエアバスA380型機を3機導入する(関連記事)。

 また、成田の夕方と羽田の午前、深夜の3つの時間帯に、乗り継ぎダイヤを集中させる「首都圏3バンクモデル」を構築し、乗継利便性の向上をはかる。さらに、共同事業(JV)の進化や、1月12日に発表したベトナム航空(VN)など、航空会社との提携も実施する。


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