求人情報

スモールシップアライアンス、利用者のFIT化に対応

  • 2016年1月26日

セミナーの様子  小型船クルーズの販売代理店5社で組織する「スモールシップアライアンス」はこのほど、旅行会社向けセミナーを開催した。同会代表で、オーシャンドリーム代表取締役の堅田寛氏は冒頭の挨拶で、客室数の少ない小型船について「通常のパッケージ商品に組みにくいという声もある」と述べた一方で、近年はクルーズ経験者を中心にFITの問い合わせが増えている旨を説明。「現地までの飛行機の乗り継ぎは数をこなせば1人でもできるようになるし、空港まで来ていただければ多くの船会社が港までの送迎をおこなっている。また、乗船してしまえば船内で迷う心配もない」と述べ、クルーズ人口の増加に伴いFIT化が進むとの考えを示した。

マーキュリートラベルの東山氏  プレゼンテーションでは、英国船の「サガ」などを扱うマーキュリートラベル代表の東山真明氏が、「FIT化の潮流を強く感じているので、この流れに一緒に乗っていただきたい」と参加者に訴えた。同氏によれば、FITをターゲットとして利益率を上げるには1人あたりの単価を引き上げる必要があるが、小型船ではラグジュアリーなサービスをきめ細かく提供できるため、FIT向けビジネスに最適だという。

 東山氏はそのほか、海外の雰囲気を楽しめる外国船を利用した日本発着クルーズや、大型船では訪れない地域を巡るヨーロッパの絶景クルーズ、ヨットレースやF1グランプリなどの趣味に特化したテーマクルーズなど、さまざまなコースの提供が可能と説明。例えば、サガでは45歳以上限定のクルーズでシングル用の料金も設定しており、利用者の15%が1人旅であることについて述べた。

オーシャンドリームの堅田氏 オーシャンドリームの堅田氏は「リバークルーズの魅力と、船社グレードの見分け方」をテーマにプレゼンテーションを実施。川でのクルーズの魅力として、波がないため揺れないことや、陸がすぐ見える場所を通るため安心感があることなどを挙げた。価格については「つい安いものに目がいってしまうかもしれないが、下船するまでにトータルでいくら使うかが大事」と述べ、エクスカーションやドリンク、WiFiなどのサービスが含まれるオールインクルーシブのプランを提供している船会社の利用をすすめた。

 船会社の評価方法については、米国のクルーズ専用口コミサイト「Cruise Critics」でのコメントや、米国の大手旅行雑誌「コンデナスト・トラベラー」などの大手マスコミが実施するアワードの受賞歴などを参考にすることを推奨。堅田氏は「お客様の話をよく聞き、ニーズに対する正確な情報を提供して、リピーターの造成につなげてほしい」と強調した。

メリディアン・ジャパンの荻原氏  帆船クルーズなどをおこなうスター・クリッパーズなどのGSAであるメリディアン・ジャパン代表取締役の荻原久美子氏は、小型船について「海面との距離の近さを感じたり、船の舳先が波を切っていく様子やイルカと並走する様子などを見ることができる」と、大型船にはない楽しみ方を紹介。同氏は「旅行会社からの送客はコンスタントにあるが、帆船の魅力を知って、さらにお客様の背中を押していただければ」とさらなる送客を要望した。スター・クリッパーズでは今年12月に約6年ぶりの東南アジアクルーズを再開。17年下半期にはカリブ海と地中海に4隻目の新造船の就航を予定しているという。