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楽天トラベル、マリオットとシステム接続、東南アや北米強化

  • 2016年1月24日

握手する楽天取締役常務執行役員の武田和徳氏(左)と、マリオット・インターナショナルのペギー・ファン・ロー氏
 楽天はこのほど、マリオット・インターナショナルとの間で予約システムの接続に関する提携を締結した。両社のシステムを直接接続することにより、楽天トラベルのユーザーは「JWマリオット・ホテル&リゾート」「ザ・リッツ・カールトン」「マリオット・ホテル」など、マリオットが有する全19ブランド・4300軒以上のホテルの空室状況や料金情報にアクセスできるようになる。接続は今春から順次開始する。

楽天の山本考伸氏  本誌の取材に応えた楽天トラベル事業事業長の山本考伸氏は、楽天トラベルのユーザーの約75%が4ツ星または5ツ星のホテルを利用していることを説明した上で、「楽天が海外旅行事業を拡大していくなかで、サービスレベルの高いマリオットのホテルがオプションとして増えることは、会員の満足度向上につながる」と説明。これまで楽天トラベルでは、同社グループのホテルについては、システムを接続せずに個別で150軒程度を販売していたという。

 マリオット・インターナショナルアジア太平洋地域チーフ・セールス&マーケティング・オフィサーのペギー・ファン・ロー氏は、「重要視している日本市場のなかでも、楽天は多くの会員を有し、消費者の購買行動について非常に良く理解している。楽天からは学ぶことはサービスやアメニティのレベルの向上につながる」と提携の理由を説明。同社によれば日本のOTAとの提携は今回が初めてで、提携に向けた話し合いは2年ほど前から進めていたという。 

 システムの接続開始後は、日本語版サイトからホテルの情報ページの制作を開始。日本人旅行者の利用を見込めるホテルについて、同社のITC(インターネット・トラベル・コンサルタント)がページをカスタマイズし、各施設の魅力をアピールしていく。システムの直接接続で在庫や料金の管理などを効率化することにより、ICTはコンサルテーション、ホテルはサービスレベルの向上などに専念する考え。楽天は2年から3年かけて全施設のページのカスタマイズを進める考えで、将来的には各国版サイトでの展開も視野に入れる。

 楽天トラベルは現在、海外に12ヶ国約20ヶ所の拠点を持ち、15年12月末の時点で約5万2600軒の加盟宿泊施設をもつ。山本氏は今回のシステム接続を足がかりに、すでに地盤を固めているグアムや台湾、韓国などに加えて、今後はインドネシアやマレーシアなどの東南アジアや北米、さらにはハワイや、マリオットグループのホテルの約半数があるという中国にも、送客を強化したい考えを示した。

 なお、楽天は2013年にはヒルトン・ワールドワイドとも同様の提携を締結しており、国際的なホテルグループとのシステム接続は今回が2件目となる。