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エースJTB、16年度は2%増目標、2つの全社キャンペーンも

  • 2016年1月19日

16年度上期商品のパンフレット  JTB国内旅行企画は1月22日から、エースJTBの2016年度上期(2016年4月~9月出発分)の新商品を順次発売する。16年度はプライバシーを重視した添乗員付きツアーや、新商品の「個性光る宿」などを訴求するほか、「日本の旬 京都・びわ湖・奈良」と「東北絆キャンペーン」の2つの全社キャンペーンを実施。年間販売額は前年度比2%増の3200億円をめざす。

 19日に開いた商品発表会で、同社代表取締役社長の大谷恭久氏は15年度について、個人消費の回復基調や北陸新幹線の開業、9月のシルバーウィークなどにより「消費税増税の反動もなく、エースJTBは過去最高の実績を記録した」と振り返った。上期の販売実績は8%増の1727億円に上り、年間では3100億円を見込むという。16年度についても地方創生の動きによる国内市場の拡大、北海道新幹線の開業、大型テーマパークの周年企画、伊勢志摩サミットの開催などで、国内旅行需要は「引き続き堅調に推移する」との見方を示した。

JTB国内旅行企画社長の大谷恭久氏 16年度は「新国内旅行宣言。」と銘打ち、多様化する利用者のニーズに対応する企画提案型商品や、地域の魅力的な観光素材を活用した商品強化する。個人旅行では、主に北海道や沖縄などで展開している現地添乗員同行ツアーを、よりプライバシーを重視した「ハーフオーダーメイド型」のツアー「今までにない旅」へと刷新。ツアー催行中の一時離団などを可能にするなど、添乗員付きの便利さと個人旅行のプラバイシーの両方を実現した「新たな旅のスタイル」として提案する。

 また、総合的に満足度の高い宿泊施設だけではなく、食事、風呂、眺望などに特に秀でた魅力を持つ施設を「個性光る宿」としてパンフレット内で紹介。東北の山中の秘湯の宿や、有形文化財に指定されている宿など、個性的な宿泊施設と利用者のニーズをマッチさせるため、ピクトグラムや写真などを用いてわかりやすくアピールする。

 地域の観光素材を活用した商品では、レンタカー付きのシリーズ「サンキューチョイス」にサービスを付加。例えば北海道では、牧場での体験やグルメなどのための「酪農王国クーポン」、九州ではご当地グルメを手軽に楽しめる「カップグルメ」などの特典を新た設ける。個人旅行では難しい、地域における特別な観光などをオプションとして提供する「旅の過ごし方」は11%増の331プランに拡充。日本国内の「絶景」を紹介する「感動の瞬間」は21%増の195種類へと増やした。

 JTBグループの全社キャンペーンとして実施する「日本の旬」については、16年度上期の対象エリアを「京都・びわ湖・奈良」とした。訪日外国人旅行者が急増している京都や大阪に比べて、宿泊施設に余裕がある奈良や滋賀などの魅力を、改めて訴求する。また、今年の3月には東日本大震災の発生から5年が経過することを踏まえて、復興支援を継続するための「東北絆キャンペーン」も実施。東北の魅力を国内と海外に発信する。