イスタンブールで爆弾テロ、ツアーは安全に配慮し継続

  • 2016年1月13日

 トルコのイスタンブール中心部に位置する観光地の「ブルーモスク」の付近で、現地時間の1月12日午前に爆発が発生し、現地当局によれば少なくとも10人が死亡、15人が負傷した。日本人死傷者の有無に関する報道は13日夕方の時点ではないものの、事件が同国を代表する観光地の付近で発生したことなどを受け、大手旅行会社各社は催行中のツアーについては継続するものの、安全の確保に細心の注意を払う考えを表明。一部は直近のツアーの出発を見合わせた。

 年末年始直後の閑散期における事件だったこともあり、日本の旅行会社が催行するツアーの数は多くはなく、大手各社はいずれも早期に参加者の無事を確認。ジェイティービー(JTB)はツアーを催行中だったが、事件発生時にはイスタンブールには滞在しておらず難を逃れた。今後の行程でイスタンブールを訪れる催行中のツアーについては、現時点では行程などの変更は予定していないものの、最新情報に留意して臨機応変に対応する考え。今後に日本を出発するツアーについても現時点では催行を予定しており、「今のところはキャンセルなどの話は聞いていない」という。

 エイチ・アイ・エス(HIS)は事件発生直後に、イスタンブールを含むトルコ各地に滞在中のツアー参加者の安全を確認。今後は現地オフィスや添乗員などと連携し、外務省などからの最新情報に対応しながらツアーを継続するという。ただし、事件の発生地がイスタンブール観光の中心地であったことなどを勘案し、1月17日に出発するツアーのみ中止を決定。その後のツアーについては、現時点では中止は予定しておらず、検討を進めるという。

 日本旅行は12日の時点では、トルコを旅行中のツアーや個人旅行者はいなかったという。今後は2月上旬にイスタンブールやカッパドキアを周る添乗員付きツアーの催行を予定しているが、催行するか否かについては今後の状況を見て検討する。

 阪急交通社は複数の添乗員付きツアーを催行中だったが、いずれのグループも事件発生時にはイスタンブールにはいなかった。今後も現地との連絡を取り、安全に留意しながらツアーを続ける方針で、今後に出発を予定するツアーについても、現時点で変更はないとのこと。そのほかKNT-CTホールディングスは、今後のツアーの催行可否については「現地からの情報などをもとに検討する」とコメントしている。

 現地からの報道によれば、トルコ政府は今回のテロ事件について「イスラム過激派組織ISILのシリア人メンバーによる自爆攻撃」との見方を示している。日本では外務省が12日中に、注意喚起のためのスポット情報を発出し、注意を呼びかけた。

 なお、トルコでは昨年10月に首都のアンカラで、左派系団体主催の集会を狙ったと見られる爆弾テロ事件が発生しており、少なくとも102人が死亡し240人以上が負傷している。そのほかにも南東部を中心に爆発事件などが発生している。