羽田米国線、AAのLAX線就航延期を承認、HAはバックアップに
米国運輸省(DOT)はこのほど、アメリカン航空(AA)が申請した羽田/ロサンゼルス線について、2016年2月29日までの就航延期を承認した。同路線は13年からデルタ航空(DL)がシアトル線として運航していた発着枠を利用するもの。DLが路線維持の条件の厳しさを理由に今年9月末で返上したため、10月以降は60日以内の運航開始を条件にAAへの配分が決定していた。
しかしDLは10月初旬に、AAが羽田/ロサンゼルス線について「未だに運航スケジュールを申請していない」ことや「販売を開始していない」ことなどを理由に、発着枠の没収を要求。これに対してAAは「採算のあう時間帯の発着枠が取得できていない」として、就航の延期を要請していた。就航延期については、DLが反論する文書をDOTに提出。ハワイアン航空(HA)は「反対はしない」ものの、AAの発着枠を含む米国航空会社が保持するすべての羽田発着枠において、HAを「バックアップキャリア」に選定することなどを求めていた。
その後AAは、「採算の合う時間帯の発着枠を、羽田の国際線発着調整事務局から12月31日に取得する」予定であることを受け、2月11日に羽田/ロサンゼルス線に就航する旨を説明した文書を提出。不測の事態などにより運航開始日が遅れる可能性も考慮し、発着枠を取得してから60日後となる2月29日までは、就航の権利を保証するようDOTに要請していた。
今回の文書でDOTは、AAがすでにスケジュールの申請をおこない、現在は航空券の予約も開始している点を強調。そのため、DLが主張した「未だに運航スケジュールを申請していない」ことや「販売を開始していない」ことは「説得力のある説明にならない」とし、AAの就航延期を認めるとした。
DOTは、HAが要求した「バックアップキャリア」の権利については、AAがDLのシアトル線に対するバックアップ権を保有していたことが、今回の羽田/ロサンゼルス線の開設に至ったことを説明。「バックアップキャリアを選定しておくことで、限られた羽田線において公益を最大化させることができる」と強調した上で、HAをバックアップキャリアとして認めた。
DOTはバックアップキャリアの条件として、AAの発着枠が失効してから90日以内に就航することを設定。もし、権利が有効となりHAが就航した場合は、通常の規則に沿って、無期限で発着枠の使用を認めるとした。