観光庁、ムスリム受入に取り組む3地域に助成、環境整備で

  • 2015年11月5日

 観光庁は11月4日から、国内でムスリム旅行者の受入環境の向上に積極的に取り組む地域の公募を開始した。ムスリムの食や礼拝への対応、情報発信体制の整備などに取り組む地域を3地域選定し、経済的な助成を含む支援などをおこなう。訪日ビザの取得要件緩和やLCCの就航増などで、マレーシアやインドネシアなどのイスラム圏からの訪日旅行者が今後も増加することが予想されることを踏まえて、受入環境整備のさらなる促進をはかる。

 募集対象は市区町村で、事業実施地域が複数にまたがる場合は、複数の市区町村による応募も可能。応募条件は、受入環境の向上に取り組み、ムスリム旅行者を積極的に誘致する意欲があることや、市区町村と民間業者などからなる推進体制があり、関係者が一体で取り組む合意がなされていること。また、対象地域に多くの外国人旅行者が利用する施設がある場合は、その施設の運営者が推進体制に確実に参加する見込みであることとした。

 さらに、事業実施地域内に礼拝所があること、訪日前のムスリムが事前に受入環境に関する情報を入手できるよう、地域の観光ポータルサイトなどを活用して情報発信すること、市区町村を管轄する地方運輸局などと緊密に連携すること、市区町村が民間事業者などの取り組みについて課題を把握・分析し、その結果を今後の取り組みに活かす展望を具体的に有していることなども条件として挙げた。

 応募はエントリーシートに必要事項を記入し、地域を管轄する運輸局などにEメールで送付する。応募の締め切りは11月25日17時必着とした。観光庁によると、12月中旬に事業実施地域を選定し、2016年1月から3月末までに実施する事業を国が支援する。支援の内容は、セミナーを開催する際の会場使用料の助成や、受入環境の整備に活用できるピクトグラムシールの提供、地域のムスリム対応店舗などを紹介するパンフレットの作成、ムスリム旅行者への意識調査の実施など。