国交省、IBEXに業務改善命令-整備ミスの再発防止求める
国土交通省東京航空局は10月30日、アイベックスエアラインズ(FW)に業務改善命令を出した。10月に同局が実施した立入検査で、FWが整備を適切におこなっていないことを認識しながらも、必要な対応を取らず運航を優先していたことが明らかになったため。また、同社は整備記録の改変や、東京航空局に虚偽の報告をしており、整備ミスに対する再発防止策も講じていなかった。東京航空局では「適切な安全管理を実施せず、輸送の安全を阻害する行為を繰り返している事実が認められた」としている。
同局によると、FWは2013年1月、伊丹空港で航空機の前脚タイヤを交換する際、左右両方の交換が必要だったにもかかわらず片方のみを交換し、整備記録を両方のタイヤ交換が必要ではないように修正。整備ミスに気づいた後も、そのまま運航を継続していた。また、同年10月に乗降用ドアの部品の点検期限が超過していたことが判明した際、期限内に整備したように整備記録を改ざんし、点検をおこなわないまま運航を継続した。
14年8月には仙台空港でエンジン・フェアリングの点検パネルの欠損を発見したが、安全と判断して必要な整備を実施しないまま運航を継続していた。15年1月には燃料供給停止用のバルブを交換する際に別の部品を装着。製造者から交換を指示されたがすぐに交換せず、正規部品を入手するまで運航を継続した。
東京航空局は業務改善命令で、全社員に安全意識を再徹底させるとともにコンプライアンス教育をおこなうこと、安全に影響をおよぼす事態が発生した場合に必要な再発防止策が講じられるよう安全管理体制を抜本的に見直すこと、確実な整備業務が実施できるよう体制を再構築することを指示した。講じた措置については、12月4日までに東京航空局に報告するよう求めている。
FWは同日にウェブサイトで謝意を表明。すでに必要な措置を実施し、FWが所有する全航空機については不具合は無く「機体の健全性を確認している」と説明し、「事態を重く受け止め、改めて安全運航を最大の責務として、徹底した原因究明と再発防止の実行をはかるとともに、信頼回復に努めていく」としている。