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アクセスランキング、1位は楽天インタビュー、燃油引き下げも

[総評] 今週の1位は、楽天でトラベル事業国際営業統括部部長を務め先ごろにはワールドトラベルシステム(WTS)の代表取締役社長にも就任された幅屋太氏のインタビューでした。9月のWTS子会社化から間もなくの掲載だったこともあって多くの方にお読みいただけたのではないかと思います。

 本文の中で「現存するOTAとしては最古」という表現もある通り、楽天トラベルの前身は「旅の窓口」として1996年に立ち上げられた(当時の名称は「ホテルの窓口」)もので、2003年に楽天が買収したという過去があります。たった20年程度でこうも拡大するとは驚くばかりですが、その過程は現在の旅行業界を形作った変化と軌を一にしていると言っていいでしょう。

 たった20年、されど20年であって、20年前というとPHSが番号しか登録できずしかも10件のみであったとか、ポケットベルがようやくカタカナのメッセージを受信できるようになったとか、そういう時代です。旅の窓口を開始したのが日立造船グループであるというのも、今となっては不思議な印象すら覚えます。

 そして、サブタイトルで取り上げた「送客規模でアジアNo.1をめざす」という目標について、同じものを掲げられる旅行会社が現在ほかに何社あるかと考えると、この20年の変化がいかに激しく大きなものであったかということを実感します。

 次に2位には、日本航空(JL)による来年のオリンピック・パラリンピック関連イベントとキャンペーンの情報がランクインしました。おそらく、アイドルグループ「嵐」が文中に登場したことで業界外の方々がお読みになったのではないかと思います。

 この想像が正しければ、旅行業界誌のアクセスランキングとして意義や正確性は損なわれてしまっていることになりますが、別の観点から見れば「嵐」の皆さんが作り出している需要というか熱量の多さに気付かされます。

 「嵐」といえば、2014年にハワイで15周年コンサートを実施し日本人以外を含めて3万3000人を動員した実績を持っており、あるいは先日も宮城県で開催した大規模なコンサートが耳目を集めているところです。以前も当欄で触れましたが、旅行の基本を遠方への移動と定義すれば、まさに彼らは超大型の旅行需要を創出可能な存在といえます。

 ランキング外ながら金曜日に掲載した香港の記事でもトピックとなっている通り(リンク)、需要の喚起、創出は旅行・観光業界にとって永遠の課題であり続けるでしょう。そうしたなかで、彼らのような存在は本来の旅行業としてはやや飛び道具的ではあるものの、別の角度からのアプローチを想起させるヒントとなり得るのではないかと感じるところです。

 なお、5位には全日空(NH)の燃油サーチャージが値下がりすることをお伝えした記事が入りました。値下がり自体は歓迎すべきことですが、対象期間の平均ケロシン価格は57.92米ドルであったということで、以前の基準であればゼロになっていたはずなのに、としつこく恨み言をいいたくなってしまいます。

 過去のことを言い続けるのは良くないという考え方があることは承知しており、実際のところ個人的にはそちらよりの性格です。しかし、少なくとも燃油サーチャージ改定基準については、いつか再び円高に転じた時にドル建てに戻すような暴挙があり得ないと保証されているわけでもなく、もう一度あのような不条理を目の当たりにすることのないように注視していきたいと考えています。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2015年10月第4週:10月18日0時~10月24日18時)
第1位
インタビュー:楽天トラベル事業国際営業統括部部長の幅屋太氏(15/10/22)

第2位
日本航空、リオ五輪応援でイベントなど実施、嵐も参加(15/10/20)

第3位
主要49社、8月の海外は13.6%減、6社が前年超え(15/10/18)

第4位
国内3空港、乗継客の免税店での液体物購入可能に、専用袋導入(15/10/20)

第5位
全日空、12月、1月発券分の燃油サーチャージ値下げ(15/10/19)

第6位
LHグループ、16年に組織再編、販促など一本化-LCC事業を強化(15/10/20)

第7位
仙台空港、運営委託先がLCC増提案-20年に旅客410万人(15/10/21)

第8位
成田、15年国際線冬ダイヤは過去最高の1475便、国内線は15便減(15/10/21)

第9位
ムスリム旅行者獲得に向け「ハラールシンポ」-ツーリズムEXPOで(15/10/20)

第10位
ハワイアン航空、A330のビジネスクラス刷新、フルフラット導入(15/10/20)