ニュージーランド、日本人渡航者年間9万人めざす-春、秋の取組強化
ニュージーランド政府観光局(TNZ)は、同局の会計年度で2016年度に当たる、15年7月から16年6月の日本人渡航者数で、9万人をめざす方針だ。このほど日本局長に就任した猪膝直樹氏は本誌のインタビューに応じ、ニュージーランドへの日本人渡航者数が増加傾向にあるため「このまま進めば9万人は達成する見込み」と自信を示した。
同氏によると、15年度(14年7月~15年6月)の日本人渡航者数は前年比9%増の8万4000人。このうち観光目的の渡航者数は11%増の約5万5000人で、猪膝氏は「日本人の海外旅行者数が減っているなか、ニュージーランドは数を伸ばしている」と喜びを語った。
16年度は目標の達成をめざし、同国の夏や冬に加え、TNZがショルダーシーズンと捉える春と秋のシーズンの誘客に注力していく。猪膝氏は気候が穏やかで旅行がしやすく、ハイシーズンの夏と比較して宿泊施設が予約しやすいことをメリットとして挙げ、旅行会社に対し商品造成や販売をアピールしていくとした。
さらに、旅行者の訪問先の多様化をはかることで、リピーターの増加をめざす。猪膝氏は、旅行会社が造成するニュージーランドのパッケージツアーは、クライストチャーチ、テカポ、マウントクック、クイーンズタウン、ロトルア、オークランドを訪れる代表的なルートに集中している旨を説明。「リピーターは同じルートのツアーは参加せず、FITで周っている」と語り、リピーターを獲得するため「メジャーなデスティネーションから周辺地域へと、少しずつ(ツアーで訪問する)範囲を広げるところから始めていく必要がある」と話した。例えば、クイーンズタウン周辺には、車で約40分程度の湖畔の町「グレノーキー」や、約2時間の町「テ・アナウ」などがあり、トレッキングが楽しめるという。
また、同氏はターゲット層についても言及。引き続き、60歳以上のアクティブシニア層と、20歳から35歳で海外旅行への興味が高い若者層にアプローチしていく。アクティブシニア層に対しては自然の美しさや、春と秋の季節の魅力を、若者層に対してはニュージーランドで体験できる多様なアクティビティを訴求していく考えだ。
※インタビューの詳細は後日掲載予定