LATAM、南米最大級の路線網と教育プログラム訴求-初のセミナー開催
LATAM航空グループはこのほど、旅行会社社員向けの新たなオンライン教育プログラム「LAN & TAM SOUTH AMERICA SPECIALIST PROGRAM」を9月から開始したことを機に、初めての旅行会社向けセミナーを開催した。同プログラムは、LATAMが全世界で南米旅行の商品開発などのスペシャリストを育成するために設立した、4年間の無料講座。セミナーの冒頭で挨拶した同グループ日本地区副支社長の山田剛氏は、8月には日本語版ウェブサイトの提供を開始したことを報告して「皆さんと一緒に南米旅行を盛り上げたい」と強調したほか、視察旅行の支援なども積極的におこなう考えを示した。
同グループは2012年6月にチリのLAN航空(LA)とブラジルのTAM航空(JJ)の合併により生まれた航空グループで、両社とその関連会社で構成。南米各国や欧米諸国など22ヶ国の130都市以上に就航しており、年間の利用者数は6000万人を超える。山田氏はプレゼンテーションで、同グループがボーイングB787-9型機やエアバスA350-900XWB型機など最新導入の導入を進めていることや、スカイトラックスなどにおける数々の受賞歴があることを説明した。
山田氏はLATAM発足からの3年間については「日本の業界内でも名前が浸透してきた」と総括。今後は同グループがワンワールドに加盟し、LAについては日本航空(JL)と、JJについてはJLおよび全日空(NH)とコードシェアを実施していることなどもアピールし、一般消費者も含めてさらなる認知度の向上をはかりたい考えを示した。当面の目標としては「日本発の南米旅行商品で(中継地以遠に)利用される航空会社のなかでトップシェアをめざしたい」と説明。北米経由だけでなく、ヨーロッパ経由での南米入りも提案したいとした。
この日はそのほか、メルコスール観光局局長のジェオルトン・ブランキニョ氏がブラジル観光の最新事情について紹介。来年に予定されているリオデジャネイロオリンピックの準備状況について報告したほか、世界遺産のイグアスの滝については、さまざまな動植物の宝庫であることなども強調し「1泊だけでは勿体ない。2泊、3泊と延泊してほしい」と要望した。そのほかには日本市場向けの新たなデスティネーションとして、特徴的な景観を持つシャパーダ・ジアマンチーナ国立公園を紹介した。
チリについては、LATAMグループセールスサポートマネージャーの根本裕美氏がその魅力を解説。南北に細長い国土のなかに砂漠から氷河までバラエティに富む自然の魅力があることを強調した。特に北部のアタカマ砂漠、パタゴニアのトーレス・デル・パイネ国立公園、モアイ像で知られるイースター島の3つをハイライトとして訴求した。
ペルー政府観光庁からは日本事務所アカウント・マネージャーの野呂泰誠氏が登壇して同国の魅力を紹介。マチュピチュやナスカの地上絵など人気観光地の最新事情について説明したほか、世界的なシェフのガストン・アクリオ氏などを輩出している美食大国であることなどを強調した。同観光局によれば日本人旅行者数は年々増加傾向にあり、2012年から13年にかけて全国で「インカ帝国展」が開催されたことにより、13年には前年比19.7%増の6万7639人に急増。14年は反動で減少に転じたものの5万人台を維持するという。
セミナー終了後の懇親会では、香港から来日した同グループアジア担当コマーシャルディレクターのトーマス・スクルービー氏が挨拶。日本からオーストラリアやニュージーランドを経由しての南米入りなどをアピールし「より多くのゲートウェイの提供に取り組む」と意欲を見せた。