JTB、15年下期は北陸で「日本の旬」-食と周遊ルート訴求
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今年は「旬のおもてなし、はじめての北陸。」をコンセプトに設定。キャンペーンの詳細を説明した同社中部事業部仕入販売部長の鈴木孝文氏は、北陸新幹線開業でアクセスの利便性が向上したことから、ファーストタイマーの取り込みをはかるとともに、リピーターに対しても「新しい北陸を体験して欲しい」考えを示した。
また、JTBグループ本社常務取締役地域交流ビジネス担当の久保田穣氏は本誌らの取材に応え、同キャンペーンの主なターゲットはレジャー客だが、企業向けの素材を提案し、視察やインセンティブなどの取り込みもはかりたいとした。さらに、新幹線開業で座席供給量が増えたことで、教育旅行の誘致にも力を入れたいとし、そのための地域の受入体制を強化していく。
キャンペーンでは、北陸の食をテーマにしたオプショナルプラン「感動の饗宴」を用意した。鈴木氏は、「食事の魅力という当たり前のもので、いかに感動を与えられるかにこだわった」と説明。福井県では、皇室に献上している高品質な越前蟹「皇室献上蟹」を食べるプランを用意しており、1名当たり10万円の商品も設定した。
石川県では金沢の料亭での食事プランを用意。富山県では白えび200匹の皮を剥いて包丁で叩いて作る「福団子」やぶりのしゃぶしゃぶを食べるプランをも設けた。このほか「ふるさと割」を活用し、毎月先着500名限定で「富山湾鮨」を500円で食べられるプランも用意しており、すでに10月は約350名分の申し込みがあったという。
また、広域観光ルートについては「北陸・飛騨・信州3つ星ルート」として、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」の3つ星に選ばれた兼六園、五箇山、白川郷、高山、松本城をめぐるルートをアピール。国内外に訴求していく。JTBではレンタカー、バス、観光タクシーで周遊するプランをそれぞれ設定しており、レンタカーでは1日3台限定の特別料金も用意した。また、期間限定で新穂高ロープウェイに無料で乗車できるプランや金沢市内の音声ガイド「金沢音声ガイドペン」の提供、加賀温泉宿泊者を対象にしたクーポンの配布などもおこなう。
加えて、久保田氏は同ルートを「インバウンド要素もかなり強いルート」であるとし、訪日外国人に人気の飛騨高山からの分散をめざしたいと語った。「ゴールデンルートや昇龍道、立山黒部アルペンルートに次ぐ4つ目のルートとして定着をはかりたい」考えだ。
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このほか、団体旅行向けには「AユニットJTB」で「加賀屋」「あえの風」宿泊限定プランとして、パティシエの辻口博啓氏監修でスイーツを作るチームビルディング用のプログラムを用意。さらに「リアル宝探し 百万石伝説」として、JTBオリジナルの宝探しイベントもおこなう。また、「るるぶトラベル」では「日本の旬 特集サイト」を10月1日に開設。さらに、「日本の旬北陸」専用のウェブサイトも設置し、おすすめの北陸の過ごし方などを紹介する。