7月までの訪日客は1106万人、単月は過去最高の192万人
日本政府観光局(JNTO)によると、2015年1月から7月までの訪日外客数の累計(推計)は、前年比46.9%増の1105万8300人となった。7月単月では51.0%増の191万8400人で、ひと月の訪日外客数として過去最高を記録した。
8月19日の定例会見で、観光庁長官の久保成人氏は「特段の外的要因がなければ、(15年は)1800万人を超えると見込まれる」との予想を説明。円安傾向、訪日ビザの取得要件緩和、消費税免税制度の拡充、航空路線の増加、JNTOなどによる訪日プロモーションが奏功したと喜びを示した。
また、久保氏によると、15年4月から6月までの訪日外国人消費動向調査で、訪日外国人全体の旅行消費額は前年比82.5%増の8887億円と過去最高を記録。1人あたりの旅行支出は23.3%増の17万7428円と大きく伸長した。1月から6月の累計では74.0%増の1兆5953万円に達しており、「年間では3兆円を超えるものと想定できる状況」だという。
4月から6月の訪日外国人全体の旅行消費額のうち、中国は40.3%を占める3581億円。久保氏によると、人民元は対円でやや下落しているが、JNTOの現地事務所や国内の旅行業界関係者からのヒアリングでは「現時点では、訪日旅行や国内での消費動向に影響が出ているとは考えにくい」という。ただし今後の動きについては注視していく考えだ。
さらに、同氏は22年の冬季オリンピック・パラリンピックの開催地が北京に決定したことについて触れ、18年の平昌、20年の東京と東アジアで3回連続五輪が開催されることに対し「大きなイベントが続くのは観光サイドからすると大変良い機会」と歓迎の意を示した。4月の第7回日中韓観光大臣会合でも、3国共同プロモーションの推進について共同声明を発表しているところ。共同での誘客に向け、具体的な打ち合わせを開始しているところだという。
なお、7月の訪日外客数の方面別では、中国が105.1%増の57万7000人で最も高い伸び率を示し、全市場として初めて単月で50万人台を記録。このほか、台湾が29.5%増の36万1700人、香港が74.0%増の15万8700人、インドネシアが51.9%増の2万5500人となり、それぞれ単月として過去最高となった。唯一前年割れしたのはロシアで、13.9%減の5000人だった。