アレルギーやUD、訪日学ぶ 全旅連女性経営者の会、京都で定例会議
全旅連女性経営者の会(JKK、岡本尚子会長=不死王閣)はこのほど、京都市中京区の旅館こうろで2015年度第1回定例会議を開いた。先日の総会で全旅連会長に就任して間もない北原茂樹さんが「全旅連の現在の課題と将来像」について話した。
会議にはJKKメンバー35人が出席した。北原さんの講演のほか、食物アレルギー、バリアフリーとユニバーサルデザイン、インバウンドなど旅館ホテルを取り巻く最新のトピックに関し講師を招いた。開会にあたり岡本会長は「アレルギー対応やインバウンド誘致で先進的な京都で開催することができました。アレルギー問題については私たち旅館業にとってもむずかしい問題です。しっかり勉強して知識を取り入れていきましょう」と話した。
北原さんは講演で、6月18日に政府が主導して立ち上げた「サービス産業の生産性向上協議会」を紹介し「全旅連でも従業員数が30人未満の施設を対象に生産性向上に取り組んでいる」。その取り組みによって「20-40代の3割」が旅館業に抱いているブラック企業だという認識を改め「魅力的な産業にしていかないといけません」とした。
また、旅館業の認可を得ず宿泊営業を助長するとしてAirbnbについて「我々は施設の保守点検料に多くの費用を費やしています。小規模宿泊施設の倒産につながる恐れもあり議論しなければなりません」。加えて、無認可宿泊施設の増大は安全な旅行先として海外から選ばれているインバウンド市場にも悪影響を及ぼしかねないと危惧した。
懸案の耐震改修促進法についても、廃業などに直結する「診断結果の公表に猶予期間を設けるよう働きかけていきたい」と話した。
アレルギー対応については、京都市内だけで年間約110万人の修学旅行を受け入れている京都府健康対策課の中本晴夫理事が、「オール京都」で取り組んでいる事例を話した。
中本さんによると、推計で年間5万人は来ている食物アレルギーを持つ子どもたち。そのため13年夏、旅館ホテルや医療機関、旅行会社、行政などが連携してプロジェクト会議「食物アレルギーの子・京都おこしやすプロジェクト」を立ち上げた。手順書の作成、研修会などを行い、専門相談窓口も設置している。
中本さんは「対応施設の拡大、全国展開に向けても取り組んでいきたい」と話していた。
(15/07/15)
情報提供:トラベルニュース社