米旅行誌調査、京都市が2年連続世界一「最高の経験できる」
米国の旅行雑誌最大手の「Travel+Leisure(トラベル・アンド・レジャー)」は7月7日、ランキング企画「ワールズ・ベスト・アワーズ2015」を発表し、世界の魅力的な都市を決める「トップ・シティーズ」部門で、昨年に続き京都を1位に選出した。同誌は米タイム社が発行する、北米の富裕層をターゲットにした旅行情報誌で、JNTOによれば各月の売上部数は約100万部。世界的にも強い影響力をもつ雑誌として知られている。
同誌の「ワールズ・ベスト・アワーズ」は1995年に開始した観光地および観光施設、サービスに関する読者投票型のランキングで、「ベスト・シティーズ」では「風景/旧跡・名所」「文化/芸術」「レストラン/食べ物」「人」「買い物」「価値」の6つの要素で各都市を評価。同誌編集長のネイサン・ランプ氏は、京都について「景色や文化、食の楽しみなど、非常に多くのものを提供できる旅行先として際立っており、最高の経験をできる場所であることは疑う余地がない」とコメント。京都は12年に9位にランクインし、初めてベスト10入りしたのち、13年には5位に上昇するなど、年々ランキングを上げていた。
今回の結果を受けて観光庁と京都市は、8日に都内で合同記者会見を開催。観光庁長官の久保成人氏は「京都市の、積極的に魅力を高める努力が結実したもの」と述べ、同市が取り組んでいるブランディング活動や受入体制の整備、景観の保全活動などを評価。また、昨年の訪日米国人旅行者数の伸び率が、米国の海外渡航者数全体の伸び率を倍近く上回っていることを説明し、JNTOによる訪日プロモーション事業の積み重ねも奏功しているとの見方を示した。同誌の今回の結果については「世界的な評価につながる」とし、北米を含む全世界からの、今後の訪日外国人旅行者数のさらなる伸びに期待を示した。
京都市の門川大作市長は、今回のランキングでは京都のみが90点台を獲得したことを報告し、関係者に感謝の意を表明。また、ウェブサイトでの14ヶ国語による情報発信や、1500ヶ所に上る無料WiFiスポットの整備、公共交通サービスの利便性向上などを実施し「総合的な街づくり」に取り組んだ結果であることをアピールした。そのほか「京都に対する評価は日本全体に対する評価でもある」と述べ、他都市との「水平連携」も推進する考えを明示。観光産業における雇用の安定化にも引き続き注力する考えを示した。
ランキングの詳細は以下の通り。
▽Travel+Leisure誌、2015年「ワールド・ベスト・シティ」ランキング
・全世界上位10都市(都市名(国名)/ポイント)
1位 京都(日本)/91.22点
2位 チャールストン(アメリカ)/89.84点
3位 シェムリアップ(カンボジア)/89.57点
4位 フィレンツェ(イタリア)/89.43点
5位 ローマ(イタリア)/88.99点
6位 バンコク(タイ)/88.91点
7位 クラクフ(ポーランド)/88.69点
8位 バルセロナ(スペイン)/88.59点
9位 ケープタウン(南アフリカ)/88.27点
10位 エルサレム(イスラエル)/88.18点
・アジア地区上位10都市(都市名/ポイント)
1位 京都(日本)/91.22点
2位 シェムリアップ(カンボジア)/89.57点
3位 バンコク(タイ)/88.91点
4位 東京(日本)/85.25点
5位 香港(中国)/83.98点
6位 シンガポール(シンガポール)/82.46点
7位 ハノイ(ベトナム)/82.26点
8位 上海(中国)/81.91点
9位 ホーチミン(ベトナム)/80.48点
10位 ニューデリー(インド)/80.10点