ルフトハンザ、GDS手数料「丁寧に説明」、費用転嫁に理解求める
ルフトハンザ・ドイツ航空(LH)日本支社長のオットー・F・ベンツ氏とスイス・インターナショナル・エアラインズ(LX)日本・韓国支社長の岡部昇氏、オーストリア航空(OS)日本・韓国支社長の村上昌雄氏らがこのほど本誌取材に応じ、9月1日発券分から導入するGDS利用手数料「Distribution Cost Charge(DCC)」について、旅行会社への説明を十分にすることで理解を得ていく方針を語った。
ベンツ氏は、DCCについて「全世界共通で導入するもので、すべてのGDS経由の予約に適用する」ものであると説明。導入の背景として、直近でGDSとの契約を更新した際、GDSに支払うセグメントフィーが値上がりし、今回の導入に至ったという。
ベンツ氏によると、DCCはグループが路線ネットワークやサービスを維持するために不可欠。また、GDSが実現する利便性の中には、ホテルなど航空会社以外の予約も含まれるが、これらが航空会社にとって余計なコストとなっていることも指摘した。
1発券あたり16ユーロの設定については外部監査人のチェックを受けたものであって、適正な額であるとコメント。旅行会社にとっても、16ユーロは空港諸税などとともに自動で加算されることから、業務が煩雑になったり顧客に説明しなければならない状況にはならないとの予測だ。
ルフトハンザ・グループでは、DCCの導入に合わせて旅行会社向けの専用サイトも稼働する計画。ここではLH、LX、OS、ブリュッセル航空(SN)の便名がつく航空券であればコードシェア便も予約可能である一方、ホテルなどを手配することはできない。
これについてベンツ氏は、必要に応じて予約経路を選べる環境になるとの考え。また、LX岡部氏によると、専用サイト経由での予約も旅行会社ごとにカウントされるため、旅行会社との契約内容にDCCが影響を与える可能性は少ないという。現在は旅行会社からの事前登録を受け付けている段階だ。
このほか、LX以外はグループでの予約をGDSで作成してもDCCが課されないことや、全日空(NH)など他社プレートでの発券ならば対象とならないことなど注意を要する点が多いことから、DCCとは別に導入を予定している、欧州内路線の新運賃などを含めて旅行会社に対する丁寧な説明を通じ理解を得ていく方針。
ベンツ氏は、「極めて積極的にコミュニケーションを取っていく」と強調。すでに営業担当者が旅行会社を個別に訪問しているところで、消費者向けにもウェブサイトでの告知を開始したという。