5月訪日客は49.6%増の164.2万人-東アジア4市場が7割

  • 2015年6月17日

 日本政府観光局(JNTO)によると、2015年5月の訪日外客数(推計値)は前年比49.6%増の164万1800人で、5月として過去最高、単月としては今年4月につぐ過去2番目の記録となった。JNTOによると、例年の傾向では5月は4月の桜と夏休みシーズンの合間であるため、伸び率が鈍化する傾向があった。しかし、今年に入ってからの訪日客増加の勢いは衰えず、好調に推移しているという。

 増加の要因としては、継続した訪日旅行プロモーションの展開、円安傾向、航空路線の拡充、訪日ビザの要件緩和や消費税免税制度の拡充など。市場別では、台湾、香港、インドが単月として過去最高に。英国、ロシア以外の18市場は5月として過去最高となった。特に東南アジアは中国が133.6%増の38万7200人、香港が70.3%増の12万600人、韓国が61.5%増の31万5400人と大きく伸長。台湾の20.5%増、33万9700人を加えた主要4市場の合計は116万3000人で、訪日外客数全体の7割以上を占めた。

 一方、前年を唯一下回ったのはロシアで14.7%減の4300人。ルーブルの下落は収まったが、回復はまだ時間がかかる見通し。ただし、5月末にウラジオストクで開催された旅行博への参加や訪日セミナーの開催は、地元メディアに取り上げられており、訪日意欲の喚起に一定の効果があったと見る。

 1月から5月の累計は44.9%増の753万7800人。1000万人まで残り246万2200人となっており、44.9%の成長率が続けば、7月には1000万人を超えることとなる。JNTOによると、6月以降は多くの市場で夏休みに入る繁忙期を迎えるため、さらなる需要の増加が期待できる。ただし、韓国の中東呼吸器症候群(MERS)の感染拡大といった懸念材料もあり、動向を注視する必要があるとした。