JAL・ANA、東京五輪の公式パートナーに-「オールジャパン」強調

  • 2015年6月15日

(左から)JOC副会長兼専務理事の青木剛氏、NH代表取締役社長の篠辺修氏、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長の森喜朗氏、JL代表取締役社長の植木義晴氏、JPC会長の鳥原光憲氏  日本航空(JL)と全日空(NH)は6月15日、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会について、同大会組織委員会とオフィシャルパートナー契約を締結したと発表した。契約カテゴリーは旅客航空輸送サービス。スポンサーシップは1業種1社が原則だが、国際オリンピック委員会(IOC)と協議の上、特例として2社共存での契約締結となった。契約金額は非公開。

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長の森喜朗氏  同日開催した記者会見で、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長の森喜朗氏は「JLとNHが仲良くそろっているのはあまりないこと。オリンピックの良さ、オール日本の良さだ」と話し、「五輪という大義の中で両社に決断していただいた」ことに感謝の意を表明。「(2社共同の記者会見は)オールジャパンの機運を継承させていく象徴的なもの」と意義を強調した。また、同氏は2社体制の理由として、「1社に縛るほうが広告価値はあり、(会社にとって)契約する意味がある」が「1社ではやりきれるものではない」ことや、両社が国際的に重要な立場の会社である点などをあげた。なお、今回の1業種で2社締結するケースは、銀行分野のみずほ銀行、三井住友銀行につぐ2番目。

 2社はスポンサーシッププログラムとして、五輪の呼称やマークなどを使用し、広告、宣伝活動などで東京五輪を盛り上げていく。さらに、東京五輪以外にも2016年にリレハンメルで開催される第2回ユースオリンピック冬季競技大会を皮切りに、リオデジャネイロ五輪、平昌五輪などで日本代表選手団に対する支援をおこなっていく。契約期間は6月15日から2020年の12月31日まで。

JL代表取締役社長の植木義晴氏  また、会見ではJL、NHの両代表取締役社長が登壇。JL代表取締役社長の植木義晴氏は契約締結について「日本らしいおもてなしの心を持ち味に、サービス面で切磋琢磨してきた全日空とこの大役に挑戦させていただけることを光栄に思う」と喜びを示した。JLは1964年の東京オリンピックの際にアテネからの聖火輸送を担当しており、1998年に日本オリンピック委員会(JOC)、2005年に日本パラリンピック委員会(JPC)とオフィシャルパートナー契約を締結。植木氏は、こうした経験を活かし選手団のサポートをしていくと語るとともに、2020年の東京五輪について「オールジャパンで、次の半世紀に向けた日本の新たな成長の原動力となるすばらしい大会となるよう、精一杯努めていく」と語った。

NH代表取締役社長の篠辺修氏  NH代表取締役社長の篠辺修氏も「JLと一緒に契約を締結することになり、大変光栄なこと」とコメント。NHは1964年の東京五輪で聖火の国内輸送を担ったほか、2005年からJOCのオフィシャルパートナーとしてスポーツ支援活動をおこなっている。また、2020年の東京五輪に向けては、社内での各種取組や体制のさらなる強化、発展をはかり、同日付で代表取締役副社長の執行役員の内薗幸一氏を「東京オリンピック・パラリンピック推進担当役員」に任命した。こうした取組を通し、「オールジャパンでアスリート、東京、そして日本の挑戦を総力をあげて応援していきたい」(篠辺氏)考えだ。

 なお、東京五輪のスポーンサーシッププログラムは4種類あり、IOCが管理する「ワールドワイドオリンピックパートナー」が最上位。その下にJOCなどによる国内向けの「東京2020ゴールドパートナー」「東京2020オフィシャルパートナー」「東京2020オフィシャルサポーター」がある。オフィシャルサポーターとなったのは2社が初めて。