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アクセスランキング、1位はカナダ電子ビザ、EXPO概要が2位

[総評] 今週は、カナダ政府がオンラインビザ「ETA(Electric Travel Authorization)」を導入するニュースが1位になりました。定番の観光デスティネーションであり経済関係も深いカナダですから、一般消費者の方々も興味を持たれたようです。

 正直なところビザ免除からは後退と感じられますが、取得費用は7ドル、有効期限も5年間ということで、カナダ観光局(CTC)日本地区代表のモリーン・ライリー氏が記事の中で話されている通り、米国などよりも安く手間も少なく済みます。

 米国がESTAを導入したのもずいぶん前になってしまいましたが、気付けばいつの間にか当たり前になっています。喉元過ぎれば熱さを忘れるもので、カナダが導入すると聞いても個人的には驚きはしても切迫感にかられるような印象はありません。

 気になるのは収入の使い道で、できることなら米国のESTAのように旅行需要の促進に投じられて欲しいものです。ちょうど今週末から米国の旅行商談会「POWWOW」が始まりますが、ESTAの収入と観光業界の拠出する予算を合わせて立ち上げられたブランドUSAは米国への需要喚起に取り組んでいるところで、日本でも、例えば首都圏では地下鉄内の映像広告などでも目にします。

 広告というのは効果の見えにくいものですが、誘客のためには何にせよ消費者に認知してもらうことが大前提です。そして特にレジャーでは、認知されたデスティネーションの中でいかに優れているかを知ってもらわなくてはなりません。その優劣の尺度は諸々で、それこそがマーケティングだと思いますが、広告や記事などによる露出はそこに意味を持ちます。

 メディア系の旅行商品、あるいはインターネットのアフィリエイト広告のように、広告に投じた予算に対する売上や利益のみで測ることができるケースばかりではありません。しかし、できる限り多くの潜在的顧客に、伝えたい形で情報を伝達するというニーズがある限り、広告はなくならないでしょう。

 良い例の一つがトラベルビジョンで、トラベルビジョンは無料媒体ですので、主に広告の収入によって会社が成り立っています。極めて簡単にいえば、観光局やサプライヤーの皆様が、旅行会社で働く読者の皆様を通してその先のお客様に訪問や購入をしてもらい、最終的には広告費を上回る増収に繋げるというねらいです。

 その意味でトラベルビジョンのビジネスモデルは旅行会社の影響力なくしては成り立たず、逆にトラベルビジョンに広告が出ていれば旅行会社の販売力に対して期待が持たれていると考えていただけます。

 話はそれましたが、電子ビザ導入によって増加した歳入が、何がしかの形で認知度向上や需要喚起に費やされれば、コストや手間を上回る需要喚起の効果も期待できます。あるいはCIQの手続きの効率化などに予算を投じる可能性もありますが、いずれにしても旅行に関わる部分で使用されて欲しいところです。

 なお、4位にはツーリズムEXPOジャパンの詳細もランクインしました。旅行博から旅博、そしてツーリズムEXPOジャパンとこの数年だけでも目まぐるしく名称が変化していますが、現在は海外、訪日、国内すべてを扱う名実ともに日本最大の旅行関連イベントとなっています。

 特にアウトバウンドについていえば、諸外国の観光局や航空会社、ホテルなどによる出展は先ほどの広告の話と同じく日本市場への期待の表れであり、また旅行会社への期待でもあります。

 期待などされない方がやりやすいという方もいらっしゃるでしょうけれども、こうした期待に応えることは、日本市場に投資効果があるということの証明となり、あるいはビジネスパートナーとしての信頼を勝ち得ることにもなるでしょう。個人的には、礼には礼で返すといいますか、ぜひとも送客や販売という形で応えられることが望ましいと考えています。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2015年5月第5週:5月24日0時~5月29日18時)
第1位
カナダ、オンラインビザを義務付け、日本も対象-来年3月から(15/05/27)

第2位
トップインタビュー:東武トップツアーズ代表取締役社長 坂巻伸昭氏(15/05/26)

第3位
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第4位
「ツーリズムEXPOジャパン2015」の詳細発表、来場者数17万人目標に(15/05/28)

第5位
韓国、国交正常化50周年で交流600万人へ、「観光業界がリード」(15/05/24)

第6位
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第7位
主要50社、14年度の海外旅行は1.6%減-3月単月は1割減(15/05/28)

第8位
ルフトハンザ、長距離用機材の半分にプレエコ導入、今秋には全機に(15/05/25)

第9位
タイガーエア台湾、7月に関空/台北線就航、1日1便で(15/05/27)

第10位
国交省、タイ航空会社の増便やチャーターの認可、6月以降も継続(15/05/28)