スカイマークが再建計画提出、ANAHD出資率は16.5%
民事再生手続き中のスカイマーク(BC)は5月29日、再生計画案を東京地方裁判所に提出した。投資ファンドのインテグラル、ANAホールディングス(ANAHD)、UDSエアライン投資事業有限責任組合(UDS)の3社が共同スポンサーとなって支援するもので、未確定債権を含む3000億円超の届出債権額うち、総額180億円を確定後に支払うこと、全日空(NH)との間でコードシェアを実施することなどを盛り込んだ。出資から5年以内の株式再上場をめざす。
BCは4月22日に、インテグラルおよびANAHDとの間で、再建計画に関する基本合意書を締結。その後の協議により3社は、新たに日本政策投資銀行(DBJ)と三井住友銀行(SMBC)がBC再生のために折半で出資したUDSをスポンサーに追加した。UDSは、DBJ とその子会社のDBJコーポレート・メザニン・パートナーズが運営するファンド。DBJはソラシドエア(6J)やエア・ドゥ(HD)などを再生させた実績があり、SMBCも航空機リース会社をグループに持つなどの航空業界とは縁が深い。
今回の再生計画案では、スポンサー3社がBCの「独立性の維持」を重視しながら、5年以内に再上場させることを主な目的とした。BCは100%減資を実施した後に第三者割当増資をおこない、その後、スポンサー3社が出資して新たな株主となる。出資総額は180億円を予定し、インテグラルが過半数の50.1%を出資。UDSは33.4%、ANAHDは16.5%を出資する。
同日に開催した記者会見にはBC代表取締役会長の井手隆司氏、インテグラル代表取締役の佐山展生氏、ANAHD上席執行役員の長峯豊之氏、DBJコーポレート・メザニン・パートナーズ取締役の本野雅彦氏、監督委員で弁護士の多比羅誠氏、申立人代理人で弁護士の中原健夫氏の6人が出席。佐山氏は「BCの独立性が最重要。今後もそれは変わらない」と強調し、他のスポンサー2社とも合意した旨を説明。長峯氏は「運賃や路線便数などはBCが決め、我々は策定プロセスに関与しない」と方針を示した。
スポンサー3社が出資する180億円は、一部を共益債権などの弁済に充てた上で、残りの約155億円を再生計画案に従い再生債権の弁済に充てる予定。再生債権の弁済方法は100万円を超える部分は100%、100万円を超える部分については5%弁済する。なお、出資とは別にBCは、別途金融機関と交渉して事業運営の資金の確保をはかる。
BCの取締役は6名とし、3名をインテグラルが、2名をANAHDが、1名をUDSがそれぞれ指名。インテグラルが指名する取締役のうち1名を代表取締役会長に、UDSが指名する取締役1名を代表取締役社長に選定する。
次ページ>>>計画案「2社の賛成に向け全力」、路線は「枠内で振り分け」