香港、現地で商談会、日本へ期待高く-夏に大型キャンペーン
(香港発) 香港政府観光局(HKTB)とキャセイパシフィック航空(CX)の共催による日本市場限定の商談会「コントラクト香港」が5月28日、香港で開催された。現在HKTBでは日本市場向けの商談会を年1回実施しており、開催地は日本と香港を隔年で選択。香港での開催は初回の2013年に続く2回目だ。日本からは東京、大阪、名古屋、福岡、札幌の旅行会社の企画担当者を中心とした41名とメディア2名が参加。香港からはセラー98名が集まり、延べ約800回の商談がおこなわれた。
香港への日本人訪問者数は、昨年後半の学生による民主化運動や為替の影響、そして好調なインバウンドの余波で、今年1月から3月までの累計では前年を1割近く下回っているところ。これに対してHKTB日本局長の堀和典氏は、コントラクト香港の開会に際し「皆様のご努力により4月からは少しずつマイナス幅が小さくなっており、夏から秋にかけては数字が戻ってきている」と説明した。
その上で堀氏は、98社のセラーが日本市場への期待を持って来場したことを紹介し、この数は「(香港から)日本市場へのコミットメント」であると強調。さらに、日本人または日本語を話すセラーが多いことにも触れ、香港は旅行会社が安心して送客しやすいデスティネーションであると指摘した。そしてこの環境を維持するためにも、活発に商談をして販売に繋げ、セラーのビジネスを支えてほしいと訴えた。
HKTB本局で旅行業界担当のシニアマネージャーを務めるジェームズ・タン氏も、堀氏とともに旅行業界誌の取材に応じ、「香港はホテルが高く、しかも取れないといわれてきたが、客室数は順次増えており、それに伴って余裕ができつつある」と説明。今回の商談会でもホテル側が「かなり良い条件を持ってきている」といい、商談の成功に期待を示した。
このほかタン氏は、日本市場で展開中の年間キャンペーン「アガる香港」にも言及。同キャンペーンは、香港の街歩きとその中で楽しめる文化や歴史をアピールするものだが、コントラクト香港への参加セラーにもこれらのテーマに合致した素材をバイヤー側へ積極的に提案するよう要請しているという。
なお、香港へのインバウンド需要は、民主化運動の影響に加え、日本以外でも香港ドルが高くなっていること、そして日本や韓国などとの競合もあってやや低調に推移している。これに対してHKTBでは、ハイシーズンである夏に向け全世界を対象にした大型キャンペーンを計画中。また、日本市場では団体市場をテコ入れするための施策も準備中で、6月中にも発表できる見込みだ。