ドイツ、「伝統と風習」を観光テーマに、地方への誘客めざす
ドイツ観光局はこのほど、2015年の観光テーマを紹介するプレス発表会を開催した。発表会では、同局が2015年の観光テーマの1つとして掲げる「伝統と風習」を紹介。同局アジア・オーストラリア地区統括局長のレイカート・ケッテルハーケ氏は「ドイツにはビールや歴史、音楽など、日本の方に興味を持ってもらえる伝統と風習がある」とアピールした。
発表会では、同局ディレクター・マーケティングの西山晃氏がプレゼンテーションを実施。西山氏によると、ドイツでは観光地の多様化を政策として掲げているところ。日本ではあまり知られていない伝統をアピールすることで、地方への誘客につなげていくと説明した。「伝統と風習」では、祝祭行事や伝統衣装などの「今に息づく伝統」、音楽、美術、工芸村などの「伝統工芸」、地方の郷土名物をはじめとする「食文化」の三本柱でプロモーションをおこなう。
例えば今に息づく伝統では、カーニバルの「シュヴァーベン・アレマン風 ファスナハト」やスラブ系少数民族であるソルベ人の衣装、ハノーバーの射撃祭などを紹介。また、伝統工芸では黒い森地方の「カッコー時計」や北部ドイツの藍染め、ザールラント州の陶磁器工房などを、食文化ではバイエルンのビールや、アンデックス修道院の地ビール、北部ドイツ沿岸地方のフィッシュサンドイッチなどを観光素材として提案した。西山氏は「ドイツにもこれほどのバラエティがあると知ってほしい」と訴えた。
なお、同局によると、2014年の日本人宿泊数は前年比4%減の130万泊。ケッテルハーケ氏は「日本の海外旅行者数が減少している中では、順調だったのでは」との考えを示した。2015年の目標については「昨年の宿泊数を維持することをめざす」としながらも、「ユーロのレートが下がっているので、ヨーロッパへの日本人旅行者が増えるかもしれない」と期待を示した。