アクセスランキング、1位は羽田米国線、日中韓大臣会合も
[総評] 今週は、羽田と米国を結ぶ路線に関するアップデートが1位になりました。米国側が持つ発着枠をいかに有効活用するかがテーマですが、例によって揉めているという印象です。
何度か当欄でもご紹介している通り、米国では当局と関係企業、関係者のやり取りがウェブサイト上で公開されています(リンク)。米国では、議論をして自らの考えを主張することが文化的に根付いていると聞きますので、こうしたやり取りも単に議論であって揉めているわけではないのかもしれませんが、なかなか慣れません。
今回の件はそもそも、極めて簡略化すると、デルタ航空(DL)が枠を有効に活用していない、これまでもそうだった、これからもそうに違いない、だから自社に寄越せ、とアメリカン航空(AA)がDOTに申し立て、ハワイアン航空(HA)が同調したことから始まりました。
そして、あれやこれやの意見の提出を経て、米国運輸省(DOT)はDLが枠を維持することを認めつつ、「これからもそうに違いない」への配慮か、DLが通年のデイリー運航を実現しなかった場合はAAに枠を再配分することを仮決定しました。これが3月末のことです。
今週1位のアップデートでは、AAが概ね歓迎したのに対し、DLとHAは異議を唱えています。HAについてはDLの代替策にも漏れてしまったので、主張はシンプルに自社案の優位性を改めて訴えるものです。一方、DLのそれは、維持できることは歓迎しつつ、今までは設定されてこなかった「デイリー運航の確約」という条件が不合理であるといった内容でした。
感覚的には、もともとDLは、AAやHAの申し立てに対して今夏ダイヤから通年で運航するということを強調していたわけですから、それが条件として課されても別に良いではないかと思うのですが、それはそれということなのでしょうか。
判断が覆る可能性がどの程度あるのか知りませんけれども、当然DOTも様々な反論を事前に想定しているはずです。また、DLが論拠として触れているように、行政は過去の前例を踏まえてブレずに判断することが求められますが、一方では1つの判断プロセス中にブレることもミクロ的視点での行政の失敗と考えられるはずです。
DLやHAはそれを理解した上で主張しているように感じますが、あくまで感覚ですので実際のところは分かりません。この辺りの国民性のような部分は、米国に限らず色々とあるのでしょうから、今後の国際観光促進に向けて肌感覚として身に付けていかなければと感じています。
なお、国際交流という意味では、3位には4月12日に開催された日中韓3ヶ国の観光大臣会合に関する記事が入っています。旅行業にとって、例えば昨今のアウトバウンドの不調とインバウンドの好調の背景にこれら2ヶ国があることは指摘するまでもないと思いますが、それだけ市場規模が大きいことを意味します。
日本旅行業協会(JATA)も2015年度の事業骨子として中国と韓国の回復を最重要課題として位置づけたところで(リンク)、こうした種々の取り組みの積み重ねによって双方向の需要が回復しさらに拡大していくことが期待されます。(松本)
▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2015年4月第3週:4月12日0時~4月17日18時)
第1位
◆羽田米国線、条件付きのシアトル線維持にDLとHAが反論、AAは賛同(15/04/13)
第2位
◆タイ航空会社、国交省の認可取得でチャーターなど再開(15/04/13)
第3位
◆日中韓、域外客獲得で共同プロモへ-域内は20年に3000万人(15/04/12)
第4位
◆スカイアンコール、GWに成田/カンボジア間でチャーター、来春定期便化へ(15/04/15)
第5位
◆14年度旅行業倒産は8件減の34件、8割が販売不振-TSR調査(15/04/12)
第6位
◆シンガポール航空、期間限定でアジア線など割引、各種特典も(15/04/12)
第7位
◆ユナイテッド、エコノミー機内食をリニューアル、コースで提供(15/04/16)
第8位
◆現地レポート:南アフリカ・ボツワナ・ザンビア、大自然を満喫(15/04/14)
第9位
◆日本航空、3年ぶりにウェブサイト刷新、キャンペーン実施も(15/04/14)
第10位
◆星野リゾート、開業4施設の詳細発表、地方ならではの魅力訴求(15/04/16)