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レイルヨーロッパと欧州エキスプレスがセミナー、日帰り旅行の提案も

  • 2015年4月9日

レイルヨーロッパジャパン代表の加々美恵理氏  レイルヨーロッパと欧州エキスプレスは4月9日、都内でセミナーを開催した。セミナーで登壇したレイルヨーロッパジャパン代表の加々美恵理氏は、鉄道は街の中心から中心への移動が便利な点や、チェックインなしで乗車できる点など、メリットを改めて強調。中でもLCCを利用して移動する場合と比較すると、LCCの場合飛行機に乗る時間以外に空港/市内間の移動時間が長いことから「3時間30分前後の鉄道であれば、1時間未満のフライトよりも快適で楽な移動ができる」とアピールした。

 また、同氏は2020年までの欧州の鉄道ネットワークの展望を説明。20年までに欧州の中規模の都市を新幹線のネットワークを結ぶプロジェクトが進行中で、例えば今年5月にはユーロスターがロンドン/リヨン間、ロンドン/マルセイユ間を結ぶ新路線を開通。2016年にはTGVの新線により、パリ/ストラスブール間が現在の2時間20分から1時間50分に短縮される。TGVは2017年にも新線開通を予定しているとし「先々のパッケージに反映していただければ」と呼びかけた。

 加々美氏によると、2014年の日本人の利用乗客数は前年比3.46%増の約44万人、総売上は4.93%減の約2700万ユーロ。傾向としては高速鉄道などの「プレミアムトレイン」が人気で全体の53.8%を占めた。また、区間乗車券は9.18%で、他国と比べると全体に占める割合が多いのが特徴だ。一方ユーレイルの周遊商品は13.75%だが他国より割合が低く、加々美氏は若者層の利用減や、1ヶ国内をめぐる旅行の増加などから「(数ヶ国の)周遊商品は日本人の旅行形態に合わなくなってきたのでは」と語った。

 セミナーでは欧州エキスプレスが鉄道を使った日帰り旅行を提案。ホテルや駅に荷物を預けて身軽に観光できる点や、オプショナルツアーとは異なり、列車を組み合わせ、自分の好きなように時間に制限なく観光できる点をアピールした。具体例としてミラノからトリノへ、高速列車「フレッチャロッサ」を活用した日帰り旅行や、ローマ、ナポリ、サレルノのそれぞれの都市を組み合わせた旅行、スイスのモントルーを起点に景観列車「ゴールデンパスライン」や、観光列車「チョコレートトレイン」に乗車する旅をあげ、実際に体験したスタッフが紹介した。

欧州エキスプレスRailSales事業部オペレーションマネージャーの助川主税氏  また、同社RailSales事業部オペレーションマネージャーの助川主税氏は欧州エキスプレスのサービスを紹介。「欧州の鉄道チケットは発券期日が非常に短く、予約してすぐにファイナルブックで発券しなければならない」点や、発券後は変更、取消時にチャージが発生する点が不便であるとし、乗車日の21日前までキャンセル料が無料の「リファンダブルチケット21」、7日前まで無料の「リファンダブルチケット7」をアピール。対象チケットはそれぞれ異なるが、期日までにチケットが返送されていれば無料で払い戻すとした。

 さらに、今年からスイスの「氷河特急」について、座席指定券を出発の21日前までホールド可能とする新サービスの提供を開始。鉄道パスまたは乗車券との同時購入が条件で、予約受付期間は6月30日まで、乗車期間は8月31日までで、1等及び2等が対象とした。

 このほか、旅行会社向けのオンラインサイトについて、夏を目処に刷新する計画を説明。欧州エキスプレスによると、ログイン画面を情報画面と一体化することで利用者の利便性の改善をはかる考え。さらに、駅の構内図や列車の車両の詳細な説明など、追加情報の掲載を順次増やしていくとした。