ウェブ販売にガイドライン、海外OTAも遵守に前向き-4月公表へ
観光庁は3月18日、国内外のOTAなどのウェブサイトに必要な表示ルールなどに関するガイドラインの策定に向けた「OTAガイドライン策定検討委員会」の最終回となる第3回会合を開催した。終了後に記者団の取材に応えた観光産業課課長の石原大氏によると、この日は観光庁が、過去2回の議論とその後に実施した海外事業者へのヒアリングをもとに作成したガイドライン案を提示。前回会合で提案した素案から大きな変更はなかったが、委員から特段の異論はなく、大筋で了承された。今後は座長と事務局が最終的な修正をおこなった上で、4月中に公表する。
事務局は前回の会合で、旅行取引サイトのトップページ、航空券や宿泊施設などの選択ページ、予約の詳細を確認するページ、予約完了時に送信される確認メールに記載すべき事項について提示したところ。トップページには、事業者の概要などを見つけやすい上部に掲載することを提案。また、メールアドレスだけでなく、電話番号などの連絡先や、問い合わせの際に使用できる言語なども分かりやすく明示することを求めた。
航空券などの選択ページについては、契約先の明示やキャンセル条件などの具体的な説明を盛り込むことを提案。予約確認のためのページを設けていない事業者には新たに設けることを求め、予約確認メールについてはメールアドレスだけでなく、キャンセル時などの問い合わせ先などを明記するべきとした。そのほか、海外の事業者については準拠法などを分かりやすく明示することを要望。また、支払額の表示に関しては、基本的に税金などを含む総額で表示とすることとし、クレジット決済における引き落とし口座の名義などについても示すよう求めていた。
ガイドライン案の策定にあたり事務局は、海外に本拠地があり、日本国内に事務所を持つOTA2社と比較検索サイト1社に対してヒアリングを実施。現行の表示方法で気になる表現などについて質したほか、事務局の素案について意見を求めた。その結果、「システムがグローバルで統一されていることから、各国ごとにシステム変更をすることは難しい」といった意見があった一方で、無用なトラブルを避ける観点から、「ニーズに合わせて変更することもやぶさかではない」「テキストレベルなら、翻訳の仕方や書きぶりを工夫して対応できる」といった前向きな意見が聞かれたという。
なお、観光庁は当初、事業者概要などを見つけやすい上部に掲載するなど、情報の表示場所についても踏み込む考えを示していた。しかし事業者側からの指摘により、グローバルレベルのシステム変更などに踏み込むような部分についてはガイドラインには盛り込まず、各社の裁量に委ねる方針に変更した。
なお、同庁によれば、ガイドラインのページ数は10ページ以下となる見通し。海外で同様のガイドラインを作成している例は「知る限りではない」という。
次ページ>>>成功事例作りに着手、一般向けにリーフレットも