マカオ、15年は「リハビリ期」-16年の橋開通、香港とアクセス向上

  • 2015年3月22日

 マカオ観光局はこのほど、同局の活動を受託するマイルポストが開催したメディア向け懇親会で、2014年を振り返るとともに、2015年の活動方針を発表した。

 日本地区マーケティングリプレゼンタティブの府川尚弘氏は、2014年のマカオへの日本人訪問者数は前年比3.2%増の29万9849人であるとし、日本人の出国者数が3.3%減の1690万3000人と減少する中「堅調に復活基調にある」と説明。「今年はリハビリ期に充てて、2016年には40万、50万人まで持っていきたい」と意欲を示した。

 また、府川氏によると、今までは香港から日帰り、または1泊というイメージだったが、2007年に日帰りと宿泊の比率が逆転。14年の訪問者のうち宿泊は60.4%、日帰りは39.6%、平均宿泊数は2日以上まで増えており、今後は宿泊数のさらなる積み増しをはかっていく。

 2015年については「世界遺産の街と近未来の観光都市」の組み合わせや「IR先進地」をテーマに設定し、「マカオに最先端の魅力が詰まっていることをアピールしていく」考えだ。テレビなどのメディアを積極的に活用し、マカオの魅力を消費者に訴求。日帰りのファーストタイマーを取り組みつつ、2回目以降のリピーターの拡大をはかる。

 また、2016年12月には香港とマカオを結ぶ「港珠澳大橋」が開通する予定。同区間をバスで30分から35分程度で移動できるようになり、利便性が更に向上する。府川氏は「香港マカオ空港のようになる」と語り、「キャセイパシフィック航空(CX)直行便でマカオへ、が2年後に実現する」と期待を示した。この他、マカオ域内をまわるLRTも建設中で、2017年には中国の広州・深センから高速鉄道も乗り入れる計画だ。

 さらに、セミナーでは新規開業ホテルを紹介。2015年から17年にかけて13ホテルが開業し、3万室が増加する見込みだ。例えば今年の5月には「ギャラクシーマカオ」の第2期拡張部分が開業し、JWマリオットとリッツ・カールトンが新設される。2016年にはヴェネツィアン・リゾートの隣に3000室の「パリジャン・マカオ」が、2017年にはコタイ地区に複合リゾート(IR)「リスボア・パレス」が誕生。リスボア・パレスは3つのホテルで約2000室を提供するという。