オール関西への課題は-訪日誘客へ「三都」が議論(1)
日本観光研究学会関西支部と神戸国際大学はこのほど、神戸市東灘区の同大学で観光フォーラム「関西のインバウンド戦略」を開いた。訪日客2千万人時代を見据え、京都、大阪、神戸の戦略からオール関西での観光振興の可能性を探った。
日本観光研究学会関西支部がフォーラム
パネルディスカッションには京都市観光政策監の糟谷範子さん、大阪観光局局長の加納國雄さん、神戸市産業振興局シティセールス担当局長の山本猛さんという三都の観光行政3氏がパネリストとして参加。大阪成蹊短期大学教授の国枝よしみさんを加え、神戸国際大学教授で同学会評議員の桑田政美さんをコーディネーターに広域連携の課題や現状を議論した。
桑田さんは「オール関西でと言うにはまだ取り組みが弱い」という現状を踏まえ、「地域連携を行うにはどうすればいいか。できないなら何がネックか」という問いをパネリストに投げかけた。
糟谷さんは「JRとやっている『三都物語』を訪日客向けに展開するのは可能では」と展望する。その上で連携するには「ターゲット次第」とし、「枠組みありきでは連携はうまくいかない。地域間の距離や同一県・府内というのは海外から見たらわかりづらく、お金の問題もある。目的や成果が明確な地域が手を組むのがいいのでは」と指摘した。
加納さんは「関西や東北などブロックで固まって徹底的にアピールし、訪日客に選択権を与えればいい」。山本さんは「プロモーションは神戸だけでやっても成果は出ない。例えば、京都・大阪・神戸に堺を加えた4都市で固まってアピールすると魅力は4倍。神戸は明石や姫路、但馬と連携するなど兵庫県でまとまっている」と連携することのメリットを強調した。
現場3氏の意見を聞いて国枝さんは「共同でやることのメリット、デメリットはあるので、ターゲットのニーズを見極めて商品を提案する方向性がいいのでは」と提言した。
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情報提供:トラベルニュース社