カナダ・ユーコン準州、副首相来日-オーロラ以外の魅力訴え
カナダのユーコン準州から観光ミッション団がこのほど来日し、東京、大阪でセミナーとワークショップを開催した。同州からのミッション団は今回が初めてで、12のサプライヤーが参加。来日したユーコン準州副首相兼大臣のエレイン・テイラー氏は、オーロラブームにより「ユーコンの冬は日本市場にとって勢いのある市場になった」が、ユーコンには冬のオーロラ以外にも様々な楽しみ方があるとアピール。春から秋にかけての魅力を旅行会社に訴求したいと語った。
ユーコン準州観光局によると、同州を訪問する観光客数は年間40万人。このうち日本からの訪問者数は年間約3500人で、海外市場で第5位の市場だ。テイラー氏は、日本はカナダ、アメリカなどの「プライマリーマーケット」に次ぐ、オーストラリアや英国などと同じ「セカンダリー・マーケット」と位置付けていると説明。「日本はまだ(増加する)ポテンシャルがある」と期待を語り、予算を増加し、プロモーションを強化していく考えを述べた。
日本では犬ぞりやスキー、フィッシング、ハイキング、先住民文化の体験、紅葉などの素材をアピールしていく。日本地区セールス担当の高橋由香氏は、世界遺産のクルアニ国立公園でのハイキングや氷河遊覧飛行、トゥームストーン準州立公園でのツンドラの紅葉観光、ユーコン川でのカヌー体験、ゴールドラッシュ時代の100年前の建物が残るドーソンシティなどの素材を特に積極的に紹介していきたいとした。
また、テイラー氏はユーコン準州ならではのアウトドア体験を提案することで、若者層の取り込みもはかる考えを示した。ホワイトホース/フェアバンクス間の1600メートルを犬ぞりで駆け抜ける世界最高峰の犬ぞりレース「ユーコン・クエスト」や、冬にマラソン、クロスカントリー、マウンテンバイクの3種目で競う「ユーコン・アークティック・ウルトラ」などのイベントにも焦点を当てていく。
加えて、カナダ観光局(CTC)や他州の観光局と共同で、4月から日本市場に対し、長期的な観光プロモーションを実施していく予定だ。今回の来日で、CTCと契約を締結したという。
さらに、テイラー氏は航空路線の増加についても言及。昨年3月末に全日空(NH)が羽田/バンクーバー線を、今年5月にエア・カナダ(AC)がエア・カナダ ルージュで関空/バンクーバー線に就航を予定していることに触れ「ユーコンにとってまたとない機会」であると喜びを示した。
同氏は、バンクーバーからホワイトホースまでは飛行機で2時間で、同日接続が可能であることから「非常に便利なアクセス」である点を強調。同区間はACの1日2便に加え、ユーコン準州の航空会社、エアノース(4N)が1日2便運航しているといい、4Nの活用も提案した。4Nはホワイトホースをハブ空港にイエローナイフやカルガリー、オタワにも就航しているため、周遊旅行にも適しているという。