日韓交流拡大へ、ANTAとKTOが宣言-二階氏率いる1400人訪韓
▽韓国側も大規模訪問団を予定、年内に東北へ
観光庁長官の久保成人氏も祝辞の中で、観光庁でも地域への誘客に注力していることを説明するとともに、「両国の官民による取り組みが必要」と提案。「オールジャパン、オールコリアで観光交流を」と述べ、出席者に協力を求めた。
日本旅行業協会(JATA)副会長の菊間潤吾氏は、昨年12月にJATAの主導で1000人規模の韓国メガファムを実施したことを振り返り、「現在の韓国の姿を肌で感じたことで、『自信を持って販売できる』との声が挙がってきている」と報告。「今回の会議の成果をお客様に感じていただけるかどうかは、旅行会社の行動にかかっている」とし、ANTAとの協働で早期の双方向交流人口年間700万人をめざしたいとした。
元駐日韓国大使で、現在は韓国国立外交院外交安保研究所国際法センター所長を務める申珏秀(シン・カクス)氏は、「未来志向的日韓関係のための提言」と題した講演を実施。中国の経済的台頭などによりパワーバランスが変化する北東アジアにおいて、日韓両国が共存共栄していくためのビジョンを示した。申氏は両国間の交流促進に向けては、「文化交流などはもっと活性化し制度化すべき」と主張。第二次世界大戦後にフランスとドイツが締結し、若年層の交流などを促進したエリゼ条約を好例として挙げ、「包括的な条約の締結を」と呼びかけた。
会議終了後には晩餐会の「日韓友好交流の夕べ」を開催。改めて要人各氏が挨拶したなかで、韓国旅行業協会(KATA)の梁武承(ヤン・ムスン)氏は、今年中には韓国側からも、旅行会社社員などからなる大規模訪問団を日本の東北地方に送る計画があることを明らかにした。梁氏は、「低迷している東北地域観光の活性化に、実質的な役割を果たしたい」と意欲を見せた。
なお、二階氏は翌15日に開催した後援会の主催による朝食勉強会で、今年5月には中国にも3000人規模の訪問団を派遣する計画を明らかにした。詳細は明らかにしなかったが、ANTAによれば、JATAや日本観光振興協会などと協力して実施する予定だという。