アクセスランキング、「変なホテル」1位、2位はスカイマーク

[総評] 今週は、エイチ・アイ・エス(HIS)グループの澤田秀雄氏が新たに手がける「変なホテル」の記事が1位になりました。ローコストホテルの構想は昨年発表されていましたが、まさかこうした名称になるとは想像もしていませんでした。

 「変なホテル」の名称がどのように採用されたのか分かりませんが、これで行こうと判断される澤田氏の決断力、あるいは胆力に驚かされます。無難な発想や判断を重ねていては、一代でHISをHISの規模にまで育てることはできなかったということでしょうか。

 型破りでありたい、と個人的には思っていますし、日頃から慣習や常識をまず疑って仕事をしてはいますが、果たして自分が判断をする立場であったらこの名前を選べたかどうか疑わしいものです。突飛であれば良いというものでもないでしょうし、そもそもおこがましい話かもしれませんが、ついつい彼我の差を考えてしまうニュースでした。

 驚きといえば、2位に入ったスカイマーク(BC)の民事再生法の適用申請もまさにその言葉通りの記事でしょう。エアバスとの悶着や日本航空(JL)及び全日空(NH)とのコードシェア計画といった話題が続いていましたが、澤田氏の野心的な新事業が1位の週にBCのこうしたニュースが届くのも不思議な巡り合わせです。

 BCもまた、A380型機による長距離国際線への進出計画や、快適性の高い「グリーンシート」を搭載したA330型機の導入など革新的な経営を続けてきています。一部路線からは撤退するものの運航は継続するとのことですので、是非とも正すべきところは正した上で独自路線を堅持し、今後も新しい可能性をお見せいただきたいところです。

 また、関係ありませんが、ここのところ池井戸潤氏の小説を続けて読んでいたため、BCの発表文はこれまでとは異なる見え方で頭に飛び込んできました。西久保前社長の胸中はいかばかりであったか、経営幹部は、社員は、あるいは取引先は――。当たり前のことですが、すべてのニュースの背景には多くの「人」がいる、そのことを再認識しました。この気付きは今後の媒体運営に必ず活かしていこうと考えています。

 なお、今週は旧近畿日本ツーリストの代表取締役社長であられた太田孝氏が逝去されたことをお伝えしなくてはならない1週間ともなりました。太田氏は、私がトラベルビジョンに入社した当初は社長を務められており、駆け出しの頃の取材でお会いし、「かっこいい方だなあ」と感じたことをよく覚えています。

 あれから7、8年の時間が経過していることにも戸惑いますが、70歳のお若さで亡くなられてしまったことが残念でなりません。人の死の重さに大小があるわけがありませんが、こうした記憶を伴うと別の重みを感じざるを得ません。太田氏のご冥福をお祈りいたします。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2015年1月第5週:1月25日0時~1月30日18時)
第1位
ハウステンボス、「変なホテル」開業、ローコストで料金はオークション(15/01/27)

第2位
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世界のベストホテル8部門8151軒-日本は141軒入賞(15/01/26)

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第6位
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第7位
KE、SU、燃油サーチャージ値下げ(15/01/25)

第8位
現地レポート:マレーシア2都市で食と癒しの体験(15/01/29)

第9位
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第10位
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