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アクセスランキング、ANAの夏ダイヤ1位、成田3タミも

[総評] 今週は、全日空(NH)の2015年夏ダイヤ路線便数計画が1位になりました。成田から、昨年発表したヒューストン線に加えて9月からクアラルンプール線にも就航し、シンガポール、バンコク、ホノルル線も増便するというもので、羽田路線拡大の一方で成田もおざなりにはせず、まさに「デュアルハブ」戦略を推進しようとする姿勢が鮮明です。

 加えて、国内線でも12路線で運航再開や増便、13路線で減便、運休をするなど積極的な調整をしています。日本航空(JL)が同じ日に発表した国内線の運航計画は、季節運航と増減便を合わせても対象が12路線に留まっており、対照的な印象です。

 一方、NHの国内線で成田/ロンドン線が含まれなかったのは、一般メディアでも取り上げられている「成田縛り」との関係からすると気になる点です。ヴァージン・アトランティック航空(VS)の日本路線撤退まで1週間程度に迫っている中で、今後どのような動きが出るのか、あるいは何もないのか要注目です。

 また、今週は日系2社以外でも航空路線網に関する話題が多くランクインしています。4位ではエジプト航空(MS)が2013年7月以来となる復便を計画していますし、8位ではエバー航空(BR)が関空/高雄線を開設して同台北線も増便、9位にはマカオ航空(NX)の関空線増便が入りました。

 さらに、航空路線の観点からすれば、2位の成田空港第3旅客ターミナルや7位のカンボジアとラオスとの航空協定締結も重要であることは指摘するまでもありません。特に2位は、1位のNHと相まって「成田縛り」とLCC用ターミナルという成田空港が置かれた状況の表裏を端的に表しているように感じます。

 個人的には、羽田に就航するのなら成田の路線も維持せよという「成田縛り」が今後も永続的に機能していくとは思えません。国、航空会社、空港会社、地域とそれぞれの思惑が入り混じってそう簡単に収拾する話でもありませんが、成田を保護するための制約が結果としてVSのような決断を招いては元も子もないでしょう。

 6位の記事では、ジェイティービー(JTB)代表取締役社長の高橋広行氏が、2020年までの期間を「黄金の時間」であると表現されています。述べるまでもなく、この根拠は訪日旅行需要の急拡大や東京オリンピック・パラリンピックなどです。そして高橋氏は、その時間が「手を伸ばせば簡単に手に入れられるようなものではなく、何もしないで自然に輝くものではない」とも語られています。

 航空アクセスは日本の国際交流にとっての基盤であり、その充実は今後の相互交流4000万人の実現にとって絶対に欠かすことのできないものです。航空会社からそっぽを向かれ、他国のハブ空港の成長を手助けするようなことになっては「黄金の時間」が輝くはずもありません。

 成田と羽田の共存策は、航空行政を批判していれば良いようなものではなく、旅行業界全体で考え将来を見据えて行動していかなければならない問題ではないかと考えています。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2015年1月第4週:1月18日0時~1月23日18時)
第1位
全日空、15年夏ダイヤは成田2路線開設、国内5路線再開も(15/01/21)

第2位
成田、第3旅客ターミナル公開、初年度は取扱500万人見込む(15/01/18)

第3位
日本航空、モスクワ増便、国内も羽田/那覇など増やす-15年度(15/01/21)

第4位
エジプト航空、日本線直行便再開へ、15年夏ダイヤ期間目途に(15/01/19)

第5位
海外旅行の顧客満足度、1位KNT、2位はJTB-オリコン調査(15/01/22)

第6位
JTB高橋社長、20年まで「黄金の時間」、総力挙げて計画遂行(15/01/22)

第7位
政府、カンボジア・ラオスと航空協定締結、定期便開設可能に(15/01/18)

第8位
エバー航空、2月から関空/台北線を増便、高雄線も週7便で開設(15/01/19)

第9位
マカオ航空、3月末から関空/マカオ線をデイリー化、A320で運航(15/01/18)

第10位
ジャルパック、15年度海外は24万人目標、添乗員付き商品拡充(15/01/19)