羽田米国線、AAとHAが就航申請、DLはシアトル線維持へ論拠

  • 2015年1月7日

 アメリカン航空(AA)とハワイアン航空(HA)は現地時間1月5日、米国運輸省(DOT)に対して羽田/米国線の就航計画を申請した。DOTは昨年12月25日に、デルタ航空(DL)が持つ1日2便分の羽田発着枠のうちシアトル線の1便分について再配分を検討すると発表し、代案があれば申請するよう求めていた。

 この動きは、もともとはAAとHAがDLによるシアトル線の冬期運休は貴重な枠の「無駄遣い」であるとしてDOTに働きかけたもの。DLはDOTの検討開始に反発しつつ、枠を保持するためシアトル線が最良の選択肢である旨を主張する文書をAAとHAの申請と同日に提出。DOTは今後、DLの異議と3社の主張を考慮し、最も公益性が高いと判断した路線に発着枠を与える検討をおこなう。

▽AAはロサンゼルス、B777でデイリー運航

 AAが申請したのは羽田/ロサンゼルス線で、ファースト16席、ビジネス37席、エコノミー194席のボーイングB777-200型機による通年のデイリー運航。同機材は2015年中にファーストを廃止してメインキャビンエクストラを搭載する改装を実施し、座席数は260席に増加する。

 AAは自社の提案の強みとして、羽田とロサンゼルスからそれぞれ25都市以上に乗継可能であること、DLが今冬ダイヤでほぼ運休しているシアトル線と比較して通年運航であること、機材が大きく座席数や貨物スペースが増えること、さらに通常は配分決定から90日以内の就航が求められるが、60日以内に運航を開始することなども強調した。

 また、他社との比較として、DLが当初は羽田からデトロイト線にB747-400型機で就航したが直後の震災を受けて運休し、復便後も機材を小型化して再運休したこと、シアトル線への発着枠の振り替えが認められた後も、使用機材の座席数が申請時の計画より少なかったこと、通年のデイリー運航を申請していながら季節運休となったことなどを指摘し、DLがそもそも羽田の発着枠を有効活用する意思を持っていないと攻撃している。

 なお、AAはDOTに対してDLのシアトル線再配分を初めて要請した際、すでに自社の代案としてロサンゼルス線の運航スケジュールを添付していたが、その便名は「AA169/170便」で現行の成田/ロサンゼルス線と同一。これに対してDLから、AAが羽田/ニューヨーク線の就航時にそうしたように成田線から撤退する意図ではないかと指摘されていたが、今回の申請では「AA125/126便」となっている。

※運航スケジュール案
・夏ダイヤ
AA126便 HND 00時00分発/LAX 18時30分着※前日
AA125便 LAX 18時30分発/HND 22時30分着※翌日
・冬ダイヤ
AA126便 HND 00時00分発/LAX 17時00分着※前日
AA125便 LAX 17時00分発/HND 22時30分着※翌日


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▽HAはコナ、“3度目の正直”めざし経済効果強調
▽DL、シアトル投資で15年夏以降はデイリー-DOTの検討開始に異議も