新潟、首都圏向けに情報交換会、北陸新幹線による周遊ルートなど提案
新潟県観光協会は1月7日に、首都圏の旅行会社の営業担当者を対象に「新潟県観光情報交換会」を開催した。2013年12月に続くもので、この日は県内の20を超える自治体および観光協会がブースを出展。参加した営業担当者に、3月14日の北陸新幹線開業を控えた同県の、各地の最新情報を提供した。
冒頭で挨拶した同協会常務理事の吉川孝之氏は、北陸新幹線が同県西部の上越妙高駅と糸魚川駅に停車することなどについて述べた上で、「行きは(既存の)上越新幹線、帰りは北陸新幹線を利用するなど、2本の新幹線を使った周遊ルートが確立される」と説明。また、4月からは佐渡汽船の新たな高速カーフェリー「あかね」が直江津/小木線を運航することなどから、「新幹線とあわせて快適な船旅も提供できる」と述べ、首都圏からのさらなる送客に協力を求めた。
この日は情報交換会に先立ち、東日本旅客鉄道(JR東日本)新潟支社営業部担当課長の中澤昭義氏が、同支社の北陸新幹線開業後を見据えた取り組みについて説明。2本の新幹線を利用した周遊型観光の確立に向け、2014年5月2日から運行を開始した「越乃Shu*Kura(コシノシュクラ)」を紹介した。同列車は新潟県の地酒をテーマにした、信越本線の高田駅から飯山線の十日町駅などを結ぶ観光列車で、社内では県産食材を使用したおつまみやミュージシャンによる生演奏なども提供。中澤氏は「新幹線の開業で北陸に目が行きがちだが、新潟にも良い観光素材は多い」と強調した。
同列車は3両編成で定員は70名。昨年は5月から11月にかけて、毎週金・土・日曜日と祝日に1日1便を運行した。土・日曜日などはほぼ満席で、2014年の累計利用者数は1万2400人程度に上る見込み。客層の約半分は、ターゲットとしている30代以上の女性が占めるという。なお、冬期は運行せず、2015年については3月から4月頃に運行を開始する予定。中澤氏は具体的な数値目標などは設定していないものの、「金曜日も含めて利用率を100%に近づけたい」と語った。
この日はそのほか、新潟県旅館ホテル組合青年部長の荻野光貴氏が、同組合が「3大プロジェクト」として推進する「にいがた朝ごはん」「にいがた地酒の宿」「にいがた旅館街スイーツめぐり」の取り組みを紹介。いずれも県内産食材を訴求するもので、特に旅館の女将がプロデュースする「スイーツめぐり」については、温泉旅館の新たな魅力をアピールする取り組みとして強調した。
同協会によれば「新潟県観光情報交換会」は今後も年1回のペースで継続する予定。同協会は、首都圏旅行会社の商品造成担当を対象とした商談会も年2回のペースで開催しており、あわせて新潟県への送客増に務めたい考えだ。