トップインタビュー:ドイツ観光局アジア・豪州地区統括局長 ケッテルハーケ氏
日帰り観光で新デスティネーションを訴求
15年テーマは「伝統と風習」、観光街道も
-2015年のプロモーション方針を教えて下さい
ケッテルハーケ 2015年のメインテーマの1つは「伝統と風習」。日本市場に適したコンテンツをピックアップしてマーケティング活動をおこなっていく。具体的には、ドイツの伝統的なフェスティバルや工芸品などを訴求していく。
例えばオクトーバーフェスト。現在ではビールを飲むフェスティバルのイメージが強いが、そもそもは1810年、当時のバイエルン王国の皇太子とザクセン皇女の結婚式をミュンヘン市民が祝ったことが始まり。ミュンヘンでは伝統的な民族衣装を身にまとった人々によるパレードも開催されている。
また、ドイツ各地ではさまざまな工芸品が作られている。日本で知られているのはクリスマスの飾りに使われる木製品の玩具。ドレスデン周辺を中心としており、冬の寒い時期の内職としておこなわれていた。そうした工芸品が販売されている、クリスマスマーケットもドイツならではの雰囲気が楽しめ、おすすめだ。
このほか、15年は観光街道にも焦点をあてていく。ロマンチック街道やゲーテ街道、古城街道、アルペン街道など、150以上の観光街道がドイツにはある。全てではないがその多くが日本の旅行者にも興味を持たれると思う。
-旅行会社との関係についてお考えをお聞かせください
ケッテルハーケ 旅行会社とは緊密な関係を築いていきたい。ドイツへの日本人旅行者のほとんどが旅行会社を利用しており、FITはわずか。ドイツを始めとしたロングホールのデスティネーションは、言葉の問題があるケースが多く、旅行会社を使うとスムーズに訪問できるというメリットがある。また、日本からドイツに行く場合は航空会社を使う必要があるため、航空会社も重視している。
日本でのマーケティングの場合、我々は航空会社と旅行会社、メディアにコンタクトすることで消費者にリーチできるため、やりやすいと思っている。ドイツ周辺諸国の場合は、旅行者は車で訪問するケースが多く、そういう人々に情報を訴求することはとても難しい。
また、最近の傾向としては、オンラインの予約が増加しているが、オンライン予約にはOTAなど旅行会社が関わっている。アプローチするチャネルが限られているということは我々に取ってメリットだ。
今後は旅行会社、航空会社など、共同でプロモーションをおこなうコマーシャルパートナーとの協業をますます深めていきたい。観光局の予算については、2015年も14年と同じ規模を獲得しているが、常に不足しているのが現状。コマーシャルパートナーと、彼らが興味のあるターゲットやプロダクトで共にプロモーションを展開できれば、双方にとってポジティブなことと言えるだろう。協力は強い効果を生む。ターゲットとコミュニケーションを取る可能性を増やすために、引き続き協力を求めていきたい。
-ありがとうございました