JTB予想、15年出国者は0.4%増の1700万人-国内1%増、訪日13%増に
ジェイティービー(JTB)は、このほど実施した旅行動向見通し調査の結果、2015年の海外旅行者数が前年比0.4%増の1700万人に上るとの予想を示した。2014年が3.1%減の1693万人に着地することを前提として算出したもの。調査は1泊以上の日本人の旅行と外国人の訪日旅行について、各種の経済動向予測、旅行消費者購買行動調査、観光関連動向などをもとに実施。1981年の開始以来、今回が35回目となる。
海外旅行を取り巻く2015年の環境としては、消費全般について節約ムードが継続し、円安基調も続くなど逆風が吹く一方で、円安や原油価格の下落の恩恵を受ける大手製造業などを中心に業績改善が期待できると推測。昇給や賞与が増加すれば、夏以降の旅行業界にとって明るい材料になるとした。
また、日韓および日中関係の冷え込み継続や、エボラ出血熱の流行などの懸念は残るものの、原油安により燃油サーチャージの減額が期待できること、今年11月に3年ぶりの日中首脳会談が開かれたこと、2015年が日韓国交正常化50周年にあたることなどから、海外旅行者数の減少は一旦底を打つと予測。出国者数は0.4%の微増となり、円安による現地での滞在費の上昇などから平均消費額は2.0%増の27万9100円に、総消費額も2.4%増の4兆7200億円に増加すると推計した。
その他の環境要因としては、羽田空港の拡張およびハブ機能強化により、地方から海外への旅行者が2015年も増加すると予測。また、LCCのさらなる新規就航や増便、4月の成田空港のLCC専用ターミナル完成などにより、海外旅行に対する気軽さが増すとした。
方面別では、増便や新規就航などにより台湾やベトナム、シンガポールなどの東南アジアが引き続き人気を継続すると予想。今年7月に締結された日豪経済連携協定を背景に、8月にはカンタス航空(QF)が増便を実施することから、オーストラリアについてはレジャー需要に加えてビジネス需要の増加も期待できるとした。
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