観光庁、長野北部地震で風評対策、国内外の旅行会社などに呼びかけ

  • 2014年11月27日

 観光庁は、11月22日に長野県北部で発生した地震に関し、観光関係の風評被害対策に取り組んでいる。24日には日本旅行業協会(JATA)、全国旅行業協会(ANTA)に対し、観光庁観光産業課旅行安全対策推進室長名で文書を発出するなど取り組みを実施。文書では、地震の被災地には白馬などの観光地が含まれているが、白馬村などのスキー場は地震による被害を受けていないとの情報を得ていると現状を説明した。

 その上でJATAとANTAに対し、観光に対する風評被害が生じないよう、地震の被害に関する正確な情報収集に務めるよう訴えた。さらに、旅行者や旅行予定者からの問い合わせに対し、政府や地方公共団体など関係機関が公表する情報を踏まえ正確な情報を提供するよう求めた。

 また、25日には海外向けに日本政府観光局(JNTO)の英語版ウェブサイトで情報を発信。白馬への訪問者数が多いオーストラリア向けにはJNTOのシドニー事務所経由で、現地の旅行会社約120社にメールで情報を提供した。

 26日には観光庁ウェブサイトで現状を説明。同庁が長野県や長野県・北陸信越運輸局、JR東日本などにヒアリングしたところ、被害は住宅地が中心で、地震による観光地への被害は特に出ていない。白馬・小谷のスキー場やリフトへの被害はなく、長野市から白馬・小谷までの道路も基本的に通行可能。長野・松本から白馬までの鉄道も11月25日から再開しているという。

 また、同日にJR東日本とJR西日本に正確な情報発信の実施を求めるとともに、日本旅館協会、日本ホテル協会、全日本シティホテル連盟(JCHA)、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)に対し、中小企業庁が実施する、被災中小企業・小規模事業者への対策を通知。これは被害復旧貸付の適用や既往債務の返済条件緩和などをおこなうもの。観光庁では各業界団体に対し、会員への周知徹底を求めた。

 なお、観光庁観光地域振興部観光地域振興課によると、風評被害の現状については現在長野県や各市町村が情報を収集しているところ。現時点では不明だという。