鳥取県、「エコトラック」整備で誘客強化-追加予算も
鳥取県ではスポーツツーリズムをフックに観光客の誘致に取り組んでおり、各地域の整備を進めてきた。11月5日には、総合アウトドアブランドのモンベルグループ代表の辰野勇氏が代表を務める「ジャパンエコトラック推進協議会」が、アウトドアスポーツによるエコ旅「JAPAN ECO TRACK」として「境港・皆生・大山地域」を認定。これを受け、鳥取県では2015年4月の開始をめざし、同地域の整備を進めるとともにルートをアピールしていく。訪日客の取り込みもねらう。
鳥取県では6年前から、モンベルによる環境スポーツイベント「SEA TO SUMMIT」が開催されてきた。同イベントはカヌー、自転車、トレッキングにより「地域の自然を改めて見つめなおし、新たな観光資源化へ、というコンセプト」(辰野氏)のもの。今回のJAPAN ECO TRACKでは、SEA TO SUMMITのコースを元にした。
コースは境港から皆生、大山を自転車・トレッキングでまわる45.9キロメートルの「シー トゥ サミット ルート」、大山を自転車でめぐる83.2キロメートルの「ツール・ド・大山ルート」の2コースを用意。シー トゥ サミット ルートではカヌーのオプションも用意した。また、オプショナルコースとして中海の周辺を自転車で訪れる72.6キロメートルの「中海周遊ルート(仮称)」も設けた。
11月5日の記者会見では、県知事の平井伸治氏が出席。「今日まずは一歩踏み出すことになる。ぜひ多くの方々に(JAPAN ECO TRACK)運動に参加してもらいたい」と呼びかけた。今後は「4月に向け、準備を急ピッチで」展開していく。
すでに3000万円を費やし、サポート体制や標識などの環境整備をおこなってきたが、11月の県議会で更に関連予算として約3000万円を提案。「合計7000万円を超えると思うが、そういう規模でナンバーワンのコースづくりをし、(JAPAN ECO TRACKに)関連したコースづくりを進めていきたい」と意欲を示した。
同氏はまた、今までの鳥取県のおこなってきた取り組みとして、民間企業と協力を紹介。ローソンの各店舗と協力し自転車のエイドステーションを設置したほか、17ヶ所のサイクル・カフェを整備し、自転車の総合サービス拠点として3つの「コグステーション」も置いた。平井氏は「安心して動いていただけるよう、バックアップ体制を整えていきたい」と語った。
さらに、自転車を持参して列車に乗る「サイクルトレイン」についても、以前実験的におこなったことがあるといい、将来に向けて話し合いを進めていきたい考えだ。このほか、米子鬼太郎空港から自転車をレンタルし、空港から直接ルートを回るなどの方法も検討していく。
ルートは、専用のルートマップやジャパンエコトラック推進協議会の公式サイトで情報を発信していく方針。訪日客を見据え、英語や韓国語などの他言語化もはかっていく。ルートマップはモンベル各店舗に加え、鳥取県内の案内所や県の施設などに置く予定だ。