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アクセスランキング、1位は顧客満足度、羽田にも引き続き注目

[総評] 今週は、サービス産業生産性協議会が実施した「JCSI(日本版顧客満足度指数)」の調査結果をお伝えした記事が1位になりました。旅行会社部門ではANAセールス、国際航空部門ではシンガポール航空(SQ)、そして国内長距離交通部門も全日空(NH)が筆頭株主であるスターフライヤー(7G)と、スターアライアンスに関連する企業が1位で、偶然かどうかは分かりませんが特徴的な結果となっています。

 例えば国際航空部門で中東系航空会社が入っていない点などは違和感を覚えますが、確認したところ集められる回答数が300件を超える企業という基準があるようで、これは仕方のないことのようです。ただ、そもそも広く知られていることが条件となると中小規模の企業が多い旅行業界にとっては歯がゆいところで、できることならばより幅広い調査対象で見てみたいと思うのは読者の皆様にもご理解いただけるでしょう。

 次に、2位にはガルーダ・インドネシア航空(GA)が成田と羽田の運航機材を入れ替えて、羽田への座席供給量を増加するという記事が入っています。羽田線の好調な推移が理由で、一方では成田も堅調とのことで喜ばしい限りです。

 羽田への注目は収まるどころかさらに高まっているようで、3位にはターキッシュエアラインズ(TK)が1年以内に就航をめざすと表明していますし、4位には3週連続で羽田/米国線の話題がランクインしました。

 TKが以遠需要のターゲットとする日欧間路線では、日系と西欧系それぞれの航空会社以外に北欧や中東系、あるいはアジア系の航空会社もしのぎを削っています。

 特に大規模な広告展開を含めて強くアピールしているのがフィンエアー(AY)ですが、今のところフィンランドとは羽田就航の合意がなされていません。一方、日本航空(JL)、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)とのジョイントベンチャーには参加しており、ワンワールドとしての販売を強化しています。

 TKもスターアライアンスのメンバーですが、今後NHとルフトハンザ・ドイツ航空(LH)などの日欧間ジョイントベンチャーに参加する可能性があるのか否か、その点も今後の競争環境を予想する上で重要なポイントでしょう。

 そして羽田/米国線ですが、こちらは毎度のことながら泥仕合の様相を呈してきました。「1日4便分しかない発着枠を無駄遣いするなら使わせろ」というアメリカン航空(AA)、ハワイアン航空(HA)に対して、デルタ航空(DL)は「自社のシアトル線運航計画は完全に適法であり、むしろAAもブラジル線で同じことをしている、それなのに没収するなら法に反する」と警告しています。

 また、AAが代案として出したロサンゼルス線の便名が現在の成田/ロサンゼルス線と同一であることから、「ニューヨークでそうしたように成田線を運休するのではないか。そうであれば枠を没収しても公益性などない」と噛み付きました。

 すでにAAはDLに対して再反論する意思を表明しており、先行きは全く読めません。個人的には、冬ダイヤ期間が5ヶ月しかない中で、今からまた空港関係者や行政機関を巻き込んだ喧々諤々の言い争いを始めて来年の夏ダイヤに間に合うのかと心配してしまいます。

 ただ、一方で日本の航空行政では、特に羽田枠の配分などは密室で決まったことが通知されるだけですので、やり取りが可視化されていることは好ましいことと感じます。もちろん水面下での駆け引きはあるのでしょうが、双方が主張しあい、当局が一定の根拠を示していずれかを選ぶ現在の方式は、国民や利用者にも主張の是非を確認する機会を与えるもので、日本でも是非見習ってほしいと願っています。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2014年10月第4週:10月19日0時~10月24日18時)
第1位
顧客満足度、旅行会社1位はANAセ、航空会社は6年連続でSQ(14/10/21)

第2位
ガルーダ、27日から成田・羽田線で機材交換「増加する需要に対応」(14/10/19)

第3位
ターキッシュ・エア、1年以内に羽田就航めざす-成田の夜便振替で(14/10/22)

第4位
デルタ航空、AA・HAに反論、羽田枠維持へ再配分は「違法」(14/10/21)

第5位
外国人の地方誘客、ウェブの最大限活用を-安心・安全確保も課題(14/10/21)

第6位
全日空、来年2月に欧州線の新シート導入完了、3ツ星シェフの機内食も(14/10/19)

第7位
エア・カナダ、ルージュで関空/バンクーバー線、就航記念セールも(14/10/21)

第8位
カンタス、世界初のビジネスクラス、離着陸もリクライニング可(14/10/22)

第9位
ジャカルタ、観光客誘致強化、ゴルフの魅力訴え-観光大使にJKT48(14/10/19)

第10位
星野リゾート、15年4月に仏領ポリネシアでリゾート運営開始、バリは来夏(14/10/19)