ターキッシュ・エア、1年以内に羽田就航めざす-成田の夜便振替で
ターキッシュエアラインズ(TK)が10月22日開催した、日本就航25周年記念のメディアカンファレンスで、TK東京支社支社長のムスタファ・ドクメタシュ氏は羽田/イスタンブール線の就航について意欲を示した。同氏によると、現在「就航時間でいい時間(スロット)を取れるように頑張っている」ところ。就航は「可能な限り早く」希望しているといい、1年以内の実現をめざしていると語った。
TKは現在、成田/イスタンブール線を昼便と夜便の1日2便、関空/イスタンブール線を1日1便で運航している。このうち、成田の夜便を羽田に移行する計画だ。日本/トルコ間は今年5月の航空協議で、双方が1日1便ずつの運航を可能とすることで合意している。ドクメタシュ氏によると、大まかなスケジュールの想定として、羽田発は23時から24時、イスタンブール着は7時、イスタンブール発は24時、羽田着は18時を希望しているという。
成田線、羽田線の棲み分けについては、成田線はトルコ国内への需要、羽田線は欧州への乗継需要を中心に、トルコ各地への需要も見込む。羽田線は朝7時着のため乗継利便性がよいといい、トルコへの乗客にとっては「到着後すぐにイスタンブールに立ち寄り、観光できる」とメリットを訴えた。
一方、関空線の増便や中部就航など、他都市からの路線については「日本から欧州への需要が減少しているなか、近い将来は検討していない」と説明。チャーター便の運航についても現在計画しているものはないとし「慎重に考えていきたい」とした。
ドクメタシュ氏によると、日本路線の1月から9月までの乗客数は前年比80%増。国際線乗継客は4倍に増加している。乗客の9割以上がレジャー需要で、ビジネス需要は2%から3%にとどまっている。ただし、ビジネス需要については「業務渡航は昨年の4倍に増えた」という。今後は法人向けのプログラム「コーポレートクラブ」を活用し、日本企業やインハウスへの営業を強化していく方針。専門の担当者も配置した。
レジャー需要については、リピーター獲得のため、トルコ各地の魅力の訴求と、イスタンブール経由の乗継利便性、TKのネットワークの多様性を訴えていく。ドクメタシュ氏は「トルコはカッパドキアがよく知られているが、それ以外にも豊富な観光資源がある」点を強調。今後はトルコの西や南をプロモーションし、ビーチリゾートに加えギリシャ、ローマ、オスマン帝国時代の文化や歴史をアピールしていきたいとした。11月に東京と大阪の旅行会社20社を対象に、南西部のアンタルヤへのファムツアーを実施するなど、働きかけをおこなっていくという。
また、TKでは現在全世界260都市以上に就航しているが、今後ナントやクラクフ、バーデンバーデン、カッセル、ポルト、台北、マニラなど約25都市に路線を開設する予定。アゼルバイジャンのランカラやウクライナのハリコフにも就航する計画で、ドクメタシュ氏は「日本人にとっても潜在的に需要がある都市では」と語った。
セミナーではTK広報宣伝部部長のジェム・アルデミル氏が今後のプロモーションについて紹介。日本とトルコの共同出資映画として、和歌山県串本町沖で発生したトルコ軍艦「エルトゥールル号」遭難事件をテーマにした映画のプロジェクトが進行中とし、早ければ2015年末に公開予定であると紹介した。TKはメインスポンサーを担当。アルデミル氏は、映画を契機に「トルコへの関心が更に高まるのでは」と期待を示した。来年冬頃から映画を活用したプロモーションを開始する予定で「次の夏の旅行をターゲットにしていきたい」考えだ。
このほか、TKでは来年1月から日本語の機内誌「スカイ・ライフ・ジャパン」の提供を開始。3ヶ月に1回発行する予定で「うまく行けば月刊誌化する」予定だという。