OHEA、販売チャネルについて意見交換、OTAや直販も重要に
海外ホテル協会(OHEA)は10月16日の定例会でパネルディスカッションを開催し、グローバルホテルチェーンの今後の流通戦略について意見交換をおこなった。正会員企業の営業担当責任者などからなる4名のパネリストは、各社の販売チャネルの現況について説明するとともに、旅行会社やOTAとの協力関係の構築、自社ウェブサイトでの直販などについてそれぞれ考えを述べた。
日本スターウッド・ホテル日本・韓国・グアム地区統括営業・マーケティング本部長の矢島隆彦氏は、今後はITシステムの発達やグローバルレベルの契約締結などにより、レジャー需要の営業に費やす時間や仲介機会が少なくなると予測。また、これまではビジネス需要とレジャー需要で営業への取り組み方が異なっていたものの、今後はその境界が曖昧になってくるとの見方を示した。
今後の取り組みとしては、「BtoBのオンラインホールセールをおこなう企業で、国別やホテル別、時期別などの情報を提供してくれるパートナー」と強固な関係を構築したい意向を表明。あわせて、ダイナミックプライシング(需給状況に応じて価格を変動させる手法)に積極的に取り組み、モバイル端末への対応や、自社ウェブサイトの強化なども優先的に進めたいとした。
ザ・リーディングホテルズ・オブ・ザ・ワールド日本支社長の渡部恭士氏も、ITシステムの活用による中間コスト削減や、ダイナミックプライシングの重要性について同調。法人営業については今後は小規模契約の締結が徐々に難しくなるとの見方を示した。OTAについては「コストはかかるが、取扱量については大きなものがある」と重要視し、OTA各社の特徴を捉えた上で協力関係を築きたい考えを説明。ザ・リッツ・カールトン・グローバル・セールス・ジャパン日本地区営業部長の植田大介氏も、OTAの活用を重要視する考えを示した。
フォーシーズンズホテルズアンドリゾーツのリージョナルディレクターオブセールスの天野はつ子氏は、同社が現在取り扱っている日本人の宿泊の販売チャネルについて説明。ホールセールスやMICE、旅行会社を介した個人宿泊などが約85%を占め、残りの15%を同社ウェブサイトやOTA、GDS経由で販売していることから、今後も旅行会社との関係を重視する考えを示した。現在の課題としては、ウェブでの予約が日本語に対応していないことを挙げた。