アメリカン航空、羽田/LAXを申請、デルタ季節運休を批判
アメリカン航空(AA)はこのほど、米国運輸省(DOT)に対してデルタ航空(DL)が持つ羽田発着枠2路線分のうち1路線を没収し、AAに対して配分するように要望するとともに、配分された発着枠を使用してAAが2014年1月15日から羽田/ロサンゼルス線に就航することを認めるよう申請した。
羽田/米国線は現在、深夜早朝時間帯で1日4便の就航のみ合意されている状況。もともとは2010年にAAとDL、ユナイテッド航空(UA)、ハワイアン航空(HA)、そして当時のコンチネンタル航空(CO)が4便の枠に対して11便分を申請し、DLがデトロイトとロサンゼルス、AAがニューヨーク、HAがホノルルに飛ぶことが認められた。
その後、東日本大震災による一時運休などを経て、DLは2012年8月にデトロイト線の廃止と発着枠のシアトル線への振り替えを要望。これに対してAAがロサンゼルス、UAがサンフランシスコ、HAがコナ線の就航を申請したが、結果としてDLのシアトル線が選ばれた。
一方、AAは2013年10月に同年12月末でのニューヨーク線運休と羽田からの撤退、発着枠のDOTへの返上を表明。この際はUAのサンフランシスコ線とHAのコナ線が枠を争い、約1年後の今月末、10月28日からUAが就航する予定だ。逆にDLでは、今月1日からシアトル線を冬ダイヤ期間について運休している。
今回のAAによるロサンゼルス線の申請は、このDLのシアトル線運休を「貴重な発着枠の無駄遣い」とするもので、申請の文書の中では配分以来のDLの動きを強烈に批判している。
例えば、DLがデトロイト線でDOTの「信頼」に背き、「2度目のチャンス」であったシアトル線も季節運航となって「約束を反故」にしたと指摘。冬ダイヤも、発着枠を90日間使用しないと没収される規制を逃れるために90日ごとに1週間ずつ運航する計画であり、発着枠の利用率が10%を下回る休眠状態であると主張した。
これに対してAAは、ニューヨーク線の撤退の際も発着枠を無理やり保持することはせず潔く返上しており、今回の申請も需要に対応した通年運航をするために「信頼性が高く(credible)」、「現実的で(realistic)」、「達成可能な(achievable)」、「よく練りあげた(well-considered)」計画に基づくものであると強調。
さらに、日米間の航空当局間協議の遅れについても、羽田の開放路線についてDLが成田ハブへの「脅威」であると認識し、「成田から羽田へ全てのポートフォリオを動かすことが可能とならない限り、米国側のいかなる譲歩にも反対」することが原因であり、DLはそうするために「強力な政治的サポート」も集めていると批判した。
なお、羽田/ロサンゼルス間ではDLと全日空(NH)も路線を開設済みであることについては、6社が就航する成田線を含めて需要は十分にあり、むしろAAの羽田線により競争をより活発にするとしている。
AAの申請した計画では、就航日が2015年1月15日で使用機材はボーイングB777型機。座席数はファースト16席、ビジネス37席、エコノミー194席で合計247席。運航スケジュールは下記の通り。
▽AA、羽田/ロサンゼルス線運航スケジュール計画
AA170便 HND 01時30分発/LAX 18時25分着
AA169便 LAX 17時05分発/HND 23時00分着