旅する若者を創る-じゃらんRC(2) 好奇心と口コミ力に訴求

 その実証の第一弾は「雪マジ!19」。19歳だけ全国100以上のスキー場で何回リフトに乗っても無料というもので、2011-12シーズンから始めた。

 タイトルは、情報過剰社会でも埋もれないシンプルかつ特定(19歳)のターゲットに呼びかけることを意識したという。結果、ツイッターなどに書き込みしやすく口コミにつながった。

 雪マジのねらいは、スキー(スノーアクティビティ)人口は20年間で1800万人から800万人へ大幅に減り、それまで中山間地の冬期雇用や地域経済の屋台骨が揺らぐ事態を解消しようというねらいもあった。100を超えるスキー場がリフト代無料に応じたのも需要創出の必要性に切迫感があったためだ。

 結果、初年度の登録人数が約4万9千人、2年目の12-13シーズンが10万8千人、13-14が15万1千人と増加。多くは初心者で半数以上がレンタル用品を利用し、ゲレンデ内での食事など経済効果も少なくなかった。20歳になった翌年以降も9割がスキー場を再訪するなど、リピーター化にもつながった。

 青木さんは「周辺観光情報を届けるなど、地域周遊や地域消費、宿泊の促進にさらにつなげていきたい」と話した。

 そのほか、Jリーグの観戦を20歳だけ無料にした「Jマジ!20」で旅の要素を伴ったアウェイ観戦を促している。今後は父娘プレイでゴルフマーケットの開拓を目論む「ゴルマジ!20」、温泉旅行に若者を誘うプロジェクトなどを予定している。

 沢登センター長は「マジ部の取り組みは、好奇心の強い若者の場づくりです。多様な地域の資源とマッチングさせる機会を増やすことが国内旅行市場、地域の活性化につながる」と話した。

 

情報提供:トラベルニュース社