湯西川温泉「花と華」資産管理のマウンテンジョイが特別清算、負債21億円

  • 2014年9月14日

 東京商工リサーチ(TSR)によると、栃木県日光市で湯西川温泉「花と華」を経営していたマウンテンジョイ(旧社名:株式会社湯西川国際観光ホテル平家亭)が9月2日、宇都宮地裁から特別清算開始決定を受けた。負債総額は約21億円。

 マウンテンジョイは1963年8月に湯西川国際観光ホテル平家亭として設立。資本金は1000万円。バブル期には新館建設で総部屋数76室、10種類の湯船など規模を拡大し、湯西川地区では3本の指に入る規模の温泉ホテルとして知られていたという。ピーク時の1994年4月期の売上高は、約13億9500万円を計上していた。

 しかしその後はデフレにより、格安温泉ホテルへと顧客が流出。温泉ブームの鎮静化による観光客減少などもあり、近年の年間売上高は約10億円にまで落ち込んでいた。このため宿泊単価を引き下げたほか、各種のプラン設定で集客回復に務めたものの奏功せず、バブル期におこなった設備投資の負担も経営を圧迫して資金繰りが急速に悪化。さらに主力銀行の経営破綻もあり、金融債務の大部分が整理回収機構に譲渡されたことで業績悪化が表面化した。

 2012年3月には再建スキームの一環として、会社分割により資本金400万円でマウンテンジョイを設立し、ホテル経営に必要な資産と営業権などを譲渡。マウンテンジョイはその後、社名を湯西川国際観光ホテル平家亭に変更して現在もホテル経営を担当している。一方で、資産管理をおこなっていた旧・湯西川国際観光ホテル平家亭は、社名をマウンテンジョイへと変更したが、今年6月の株主総会の決議により解散した。