アクセスランキング、ヴァージン撤退が1位、訪日関連も複数

[総評] 今週は、ヴァージン・アトランティック航空(VS)が日本市場から撤退することをお伝えした記事が1位になりました。まさに青天の霹靂で衝撃的であり、個人的にも駆け出しの頃から広報を担当されている方に色々と教えていただいてきたこともあって、VS側のコメントの通り残念でなりません。

 成田線はVSにとって4番目の路線で、なおかつ米国以外では初の就航地であり、2012年に掲載したインタビューで当時COOを務められていたジュリー・サウザン氏は「最初期からの重要市場」と話されていました。それがたった2年でなぜこのような判断になってしまったのか、繰り返しになりますが本当に残念です。

 また、日本市場という視点で考えますと、端的に相対的な重要性が低下してきていることが危惧されます。エジプト航空(MS)も政情不安の中で運休し、東京と大阪の支店も閉鎖してGSAに切り替えてしまいましたが、それでもまだ復便の意欲は示されているところで、MSで勤務されていた方々のお気持ちを考えると言葉を選ばなければなりませんが、旅行業界としてはまだ期待が持てる段階です。

 それに対してVSは撤退、しかもロンドン線ですから、日本経済の地盤沈下の表れかとも考えてしまいます。色々な方にお話を聞くと、VSの成田線はそこまで悪い利用状況ではなかったそうで、やはり相対的な経済性による判断と考えるのが自然でしょう。

 また、これは何の根拠もありませんが、羽田に就航できなかったことも理由の一つになっているのではないかと感じます。記事でも触れた通り、VSは成田線を運休して羽田に就航することを望んでいたものの、航空当局間協議の結果、羽田に乗り入れるためには成田線を維持することが求められ、結果として断念しています(関連記事)。

 航空局によると合意事項の詳細は非開示とのことで、VS側がそれを明かして規制の撤廃を要求するのはそもそもルール違反であったのかもしれませんが、今考えれば敢えてそれをしてでも抗議したいほど不満だった可能性もあるわけです。

 無責任な想像はこの辺りで終わりにしますが、もう一つ気になるのは、全日空(NH)が成田/ロンドン線を復活するのかどうかです。航空交渉は相互主義が基本ですから、NHが再就航しなければ制約はなくなったと考えて良いはずです。

 逆に、復便したとなると需要見通しも関わりますので一概にはいえませんが、いずれにしても成田と羽田の棲み分けや成田の将来像に大きく関わる話であり、強く興味を惹くところです。

 今週はこのほか、HISとANAセールスの訪日事業における合弁会社の設立、ミュゼトラベルによる沖縄ツーリストの本土地区事業承継、タイ・エアアジアX(XJ)の成田と関空への就航など大きなニュースがあったのですが、VSの衝撃で印象が薄れてしまいました。

 とはいえ、見方によっては欧米系航空会社の撤退と訪日分野の盛り上がり、特にアジアからのインバウンド熱というコントラストは、現在の旅行業界の環境をはっきり表しているとも感じられます。

 先週の当欄では中長期的に流れを把握する努力をしていきたい旨を書きましたが、現実に目の前でこうも大きな変化が起きてしまうと、理想論は理想論といいますか、無力感に苛まれてしまいます。少なくともVSのような動きが他社にも広がっていかないことを祈りつつ、まずは受けた衝撃を自分なりに消化したいと考えています。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2014年9月第1週:8月31日0時~9月5日18時)
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