JATA、12月に韓国で1000名規模のメガファム、国交正常化50周年に向け
日本旅行業協会(JATA)は9月3日の定例記者会見で、今年12月に韓国で、日本の旅行会社の販売担当者など1000名を対象に大規模ファムツアーをおこなう計画を発表した。8月29日にソウルで開催された韓国観光公社(KTO)との「日韓観光交流拡大シンポジウム」において、JATA会長の田川博己氏が提言したもの。来年の日韓国交正常化50周年を前に、現在の日韓観光交流において大きな障壁となっている「心の問題」を、日本の旅行会社から払拭することをめざす。
旅行会社の企画担当者ではなく販売担当者を中心に参加者を募る理由について、JATA事務局長の越智良典氏は、日韓関係の政治的な冷え込みが販売担当者のモチベーションを大きく低下させている点を指摘。「販売担当者が積極的な気持ちになれなければ、消費者を説得することは難しい」と述べ、そのためには「50周年を迎える前に心のスイッチを入れ替える必要がある」とした。
ファムツアーはソウルのほか全国各地で展開する予定で、JATAでは現在、KTOから受け入れ体制などに関する回答を待っているところ。回答が寄せられたのち、9月19日に開催予定のJATA役員会で決議されれば、実現の運びとなる。
JATAによれば、29日の「日韓観光交流拡大シンポジウム」には、日本からの代表団200名と韓国の関係者150名が参加。日本からは観光庁長官の久保成人氏、日本政府観光局(JNTO)理事長の松山良一氏、JATA会長の田川氏などが出席した。JATAからはそのほか、副会長の菊間潤吾氏、理事の東良和氏、海外旅行委員会および訪日旅行委員会の担当者、地方支部支部長など30名以上が参加。今年の年末か年初には、日本で第2回のシンポジウムを開催するという。
越智氏によれば、シンポジウムは「友好的な雰囲気」の中でおこなわれ、両国のスピーカーは国交正常化50周年や日韓相互交流人数700万人の目標達成、スポーツ交流や文化交流などについて言及。日本側のスピーカーは交流を盛り上げに向けた提言をおこない、韓国側も全面的に歓迎した。ただし現在の日本人旅行者数の低迷について、韓国側から具体的な打開策などは提案されなかったという。
そのほか、韓国側からは日韓両国への中国人旅行者の急増を受け、3国間の観光交流推進について検討すべきとの提案があった。具体的には、韓国の観光ビザを取得した中国人旅行者に対して日本の観光ビザの取得を免除するなどの要件緩和などが提案されたという。