旅行業倒産、7月は3件で負債総額3.5億円-宿泊業は3件で2億円

  • 2014年8月18日

 東京商工リサーチ(TSR)によると、今年7月における旅行業の倒産件数は、前年から3件減となる3件だった。負債総額は前年比65.6%減となる3億5000万円。東日本大震災に関連した倒産は0件だった。

 3件はいずれも東京都の旅行会社で、負債額が最も大きかったのはクリエイティブツアーズの約1億8000万円。海外旅行の地上手配業務を主力に、一時は年間売上高10億円以上を記録していたが、ここ数年は業績が低迷し事業継続が困難となっていた。

 また、ビジネス客を対象に事業を展開していたエイアンド・アクセスの負債額は約1億6000万円。近年では中国への利用客増加で2010年10月期に売上高約3億5000万円を記録していたが、同業他社との競争激化や中国旅行の需要減などが重なり、2012年には売上高が約3億円にまで減少。訴訟トラブルなども抱えた結果、事業継続が困難となった。

 なお、7月10日に突然事務所を閉鎖し、ヨーロッパ方面の旅行客などが旅行に行けなくなるトラブルを起こした東京都のレックスロードについては、法的手続などの面で倒産の定義に該当しないため、今回の件数には含まれていないという。

 このほか、宿泊業の倒産件数は前年よりも4件少ない3件だった。うち震災関連の倒産は1件。小規模倒産が中心となった結果、負債総額は88.0%減の2億100万円にとどまった。

 負債が最も大きかったのは、山形県鶴岡市の湯野浜温泉で収容人員28名の「温泉民宿・一力荘」を運営していた一力で、負債総額は1億4100万円。景気低迷に伴い湯野浜温泉全体の集客力が低下したほか、東日本大震災の発生により業績が低迷し、2013年4月期の売上高は3300万円程度にとどまっていた。